稲垣吾郎「埼玉ディス」漫画に苦笑 なぜ埼玉県民は自虐的に笑えるのか

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 SMAPの稲垣吾郎さん(42)が司会を務める読書バラエティー「ゴロウ・デラックス」4月1日の放送に漫画『パタリロ』で知られる魔夜峰央さん(63)が出演。昨年復刊され現在55万部を売り上げている衝撃の埼玉ディス漫画『翔んで埼玉』(宝島社)について語った。

■虐げられる埼玉県民

『翔んで埼玉』は魔夜さんが1982年に発表した作品。その徹底的な「埼玉ディス」がネット上で話題となり、昨年末復刊された。番組では埼玉を皮肉った過激なギャグを稲垣さんが朗読し次々と紹介。登場人物曰く「埼玉から東京に行くには通行手形がいる」「埼玉なんて言ってるだけで口が埼玉になる」等々。また作中で埼玉県民が都心に出てくると「埼玉狩り」に遭うなど徹底的に虐げられる。「都会指数」によってA組からE組までクラス分けされる都内の高校で、親の転勤などで東京にやってきた元埼玉県民は、校内の小屋にある最下層の「Z組」に追いやられる。ちなみにA組は赤坂や青山に住んでいる生徒、E組は田無あたりから通っているとされる。稲垣さんは板橋区出身のため「うちも板橋のほとんど端だからさ、E組だよね。埼玉県と東京の境目あたりだから」と自虐的に笑った。

■あくまで「自虐ネタ」

 魔夜さんは新潟県出身で、この作品を執筆した当時は所沢に住んでいたという。そしてそのころ「埼玉の人が東京に憧れているのを感じた。東京とか赤坂のあたりに住みたがってるのかなと肌で感じて、それをちょっとおちょくってみたら面白いかなと思って描いた」と同作を執筆した経緯を語った。自身が埼玉に住んでいたからこそ描ける「自虐ネタ」だったのだ。同作のストーリーは未完だがこれ以上先は描かないという。途中で終わってしまったのは県外へ引っ越してしまい、そこからは自虐ネタではなくなるためだ、と魔夜さんは話した。

■埼玉県民は「いい人」

 同書は特に埼玉県内の書店で売れているという。魔夜さんは埼玉県の人は自分を笑い飛ばせる「いい人」が多く「他の県でやったら絶対にぶつかる」と語った。その理由として番組では埼玉の歴史が紹介された。埼玉には江戸時代から決まった家系の大名がおらず、譜代大名が天下ってきていた県だと説明。トップがころころと変わることが県民性の薄さをつくり、主体性のない県民になってしまった、と解説された。そして作中で埼玉県よりも虐げられている県として茨城県が登場する。魔夜さんは「奥さんの実家が茨城だから身内感覚があった。ちょっとくらいおちょくっても平気かな」と考えていたが、そちらを描いたときは「えらいクレームが来た」と埼玉県民の「いい人」さは特徴的だと語った。稲垣さんは「たしかに草なぎ君も『いいひと』だ」と埼玉県春日部市育ちの草なぎ剛さん(41)の名前をあげた。

 「ゴロウ・デラックス」はTBSにて毎週木曜日深夜0:58から放送中。

Book Bang編集部
2016年4月2日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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