スヌーピーファンの聖地、チャールズ M.シュルツ美術館(カリフォルニア州サンタローザ)の世界初のサテライト(分館)「スヌーピーミュージアム」が2016年4月23日(土)に東京・六本木にて開館する。ミュージアムでは、シュルツ美術館が所蔵する貴重なコレクションを2018年9月までの約2年半の間、半年ごとに新しいテーマの展覧会を開催し、すべての作品を入れ替えて公開していく。
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- スヌーピーのひみつA to Z
- 価格:1,760円(税込)
日本で『ピーナッツ』のコミックスが刊行されたのは1969年。当時から現在まで50年ちかく翻訳を手がける詩人の谷川俊太郎さんは、5月31日に刊行される『スヌーピーのひみつ A to Z』のなかで、“私は『ピーナッツ』を偉大なるマンネリズムと呼んだことがありますが、(中略)毎日毎日似たような喜怒哀楽を繰り返しながら生きているのを見ていると、言語や文化の違いを超えて、それがまさに私たちの生活そのものだと感じます”とその『ピーナッツ』観を述べている。
日本でのスヌーピー人気は、この翻訳コミックスの刊行や同じ頃ぬいぐるみやトートバッグなど様々なグッズが誕生したことでどんどん高まっていった。2000年にシュルツ氏は亡くなり、コミックの連載は終了となったが、2013年に開催された「スヌーピー展」には28万人もの来場者が足を運んでおり、何世代にもわたる日本人の“ピーナッツ愛”が「スヌーピーミュージアム」の誕生を後押ししたと関係者は語る。
まず、ミュージアムの入り口で出迎えてくれるのは、50年代のデビュー時から時代ごとに変化していく5体のスヌーピーたち。敷地内には、シュルツ美術館にもある、(チャーリー・ブラウンのあげる凧をむしゃむしゃ食べてしまう)「凧食いの木」も植わっており、ファン心をくすぐる仕掛けが随所に見つかる。
館内には、4452枚ものコミックを使った「3Dピーナッツ」が常設され、このミュージアムのシンボルとなっている。
■ミュージアムの見どころ
オープン記念のテーマは「愛しのピーナッツ。」チャールズ・シュルツ氏の夫人、ジーン・シュルツさんがセレクトした思い出深い原画や資料を150点ほど展示している。
最大の見どころは1985年のバレンタインデーにシュルツ氏からプレゼントされた原画。なんと本場アメリカでも展示されたことがなく、世界初公開だという。
もう一つは、シュルツ氏がおそらく1960年代、実際に『ピーナッツ』を描いている姿を記録した映像だ。シュルツ氏がコミックを描く映像は大変貴重で、日本ではここでしか目にすることができない。
また、『ピーナッツ』には様々なスポーツが登場するが、自らチームを組むほど野球が好きだったシュルツ氏が使っていたグローブも展示されている。『スヌーピーのひみつ A to Z』によると、シュルツ氏は戦後アート・スクールの女性ソフトボールチームのコーチを務め、ここでチャーリー・ブラウンの永遠の片想い相手「赤毛の女の子」のモデルであるドナ・メイ・ジョンスンと出会う。
そのほか、未発表のスケッチや資料、コレクターズアイテムを見ることができるコーナーや子供たちを主人公にしたピーナッツらしい遊び心のある展示がある。
■元AKB48の前田敦子や吉本ばななも
著名人がお気に入りのピーナッツグッズを紹介するコーナーでは、元AKB48の前田敦子さんや作家の吉本ばななさん、横浜DeNAベイスターズの山崎康晃さんなどが参加している。
前田敦子さんと山崎康晃さんはスヌーピーのぬいぐるみを紹介。吉本ばななさんは先ほども触れた谷川訳のコミックを紹介し、「凧を食べてしまう木とチャーリー・ブラウンのエピソードが大好きでした」とコメントを寄せている。
シュルツ氏に近い人物では、スタジオのペイジ・ブラドックさんや息子のクレイグ・シュルツさんが参加しており、世界的なアートディレクターのチップ・キッドさんやピーナッツ初の3DCGアニメーション映画を手掛けたスティーブ・マーティノさんのお気に入りも展示している。
■グッズもカフェも充実
ミュージアムショップではここでしか購入できない限定品やオリジナルグッズを500点以上取り揃えており、1回500円のカプセルトイ(5種)や兵隊姿のスヌーピーがよく飲んでいるルートビアなんてものまである。さらに併設されたカフェではシュルツ氏の好物であるツナサンドやジーンさんが選んだ作品にちなんだミルクセーキなどのオリジナルのメニューを提供する。
大人から子供まで時間を忘れてピーナッツの世界に浸れるスヌーピーミュージアムは、今年一番のおすすめスポット。チケットは原則予約制だが、余裕のある日は当日券で入場できる。まずはサイトで確認を。残念ながらオープン当日のチケットは既に完売している。
スヌーピーミュージアム
http://www.snoopymuseum.tokyo/
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