「よく抱きつかれる作家」村田沙耶香 オードリー若林に迫られ「変態」にまつわる本をオススメ

テレビ・ラジオで取り上げられた本

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 お笑いコンビオードリーの若林正恭さん(37)が司会を務めるBSジャパンの番組「ご本、出しときますね?」(4月29日放送回)に小説家の村田沙耶香さんと歌人・小説家の加藤千恵さん(32)が出演した。その特異なキャラクターで作家仲間から人気の高い村田さんの「クレイジー」なトークが飛び出した。

■今も週3でコンビニバイト

 番組冒頭、村田さんは執筆スケジュールについて語った。村田さんは小説家でありながら週に3回コンビニでアルバイトをしている事でも有名。アルバイトのない日はまったく執筆をせず、バイトのある日深夜の2時に起床し、6時まで執筆を続ける。8時から13時までコンビニで働き、その後コーヒーショップなどでさらに執筆を続けるという。バイトの時間までに書かなきゃ、と一日のうちに締め切りがあることで執筆が捗ると独自の執筆方法を解説した。

■人間観察はしない

 そして村田さんはコンビニには色々なお客さんが来るため、腹が立つようなお客さんに出会うことはないのかと問われ「それを愛すのがコンビニ店員だから」と鷹揚に笑った。そんな村田さんだが、コンビニで人間観察はしないと明確に話した。よくコンビニで働いているというと「人間観察のためでしょ」と言われるが、「自分のことを観察してくるコンビニ店員は嫌ですよね。(常連の人にも)はじめて接するように接客している」とこだわりを明かした。

■ラストシーンは決めずに書く

 また「ハッピーエンドと決めて書くことはありますか」との質問に村田さんは一切結末を決めずに書くと明かし、その結果最後のシーンが「こんなことになるとは……」と自分でも予想しない結末が描かれると解説した。編集者にハッピーエンドで書いてほしいと言われても、「ラストは決めないんで無理です。(編集者との間の空気が)シーン……みたいな」とその点は何があっても曲げないと主張した。

■「才能がある」は褒め言葉じゃない

 個人がこだわっているルールを話し合うコーナーで、加藤さんは「才能があるを褒め言葉にしない」とあげた。仕事にしている事や続けている事は才能以外の努力でも支えられているため、「才能がある」と褒めるのは、才能=本人の努力ではない、と感じられるので言わないようにしていると語った。高校生のころ歌集『ハッピーアイスクリーム』でデビューした加藤さんは当時親戚などから「才能がある」と言われ、嬉しくもあるが自分も努力しているんだけど、と思っていたと明かされた。

■「変態」にまつわる一作をオススメ

 また村田さんの「殺人のシーンを書くのは喜び」や「よく抱きつかれることがある」「電車の中で露出狂によく遭う」などの話が飛び出し、番組最後では「変態」にまつわる本をあげてくれと若林さんに迫られた。村田さんは海外の特殊な恋愛小説を集めた『変愛小説集』岸本佐知子[編訳](講談社)をあげ「変な恋愛なのに、心を打たれたりしてすごく面白い」と紹介した。この他にも番組では本では読めない作家たちの貴重な話題が存分に語られている。同番組の最新の放送回はBSジャパンのウェブサイト(http://www.bs-j.co.jp/gohon/index.html)でも無料配信されている。

 文筆系トークバラエティ「ご本、出しときますね?」はBSジャパンにて毎週金曜よる11時30分から放送中。

Book Bang編集部

Book Bang編集部
2016年5月2日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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