絶世の美女のはずが、ひきこもり10年で「牛」になっていた

テレビ・ラジオで取り上げられた本

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 女優の杏さん(30)とナビゲーターの大倉眞一郎さんが毎週1冊ずつ本を持ちより紹介するJ-WAVEの番組「BOOK BAR」。5月29日の放送で杏さんは「鏡よ鏡、美しい姿はどの姿」とおとぎ話のような言葉で『牛姫の嫁入り』大山淳子[著](KADOKAWA)を紹介した。

■映像化間違いなしのエンタメ時代劇

 大山さんは「読むと癒される」と話題のミステリー『猫弁』(講談社)シリーズで人気を博している。今作は大山さんの最新作にして原点。2006年に新人脚本家に送られる第32回城戸賞に入選した大山さんのシナリオ「三日月夜話」を小説化した作品だ。城戸賞受賞作の『のぼうの城』和田竜[著](小学館)や『超高速!参勤交代』土橋章宏[著](講談社)も同様に受賞後に小説化されている。さらにその二作は小説化後に映画化もされて、どちらも大ヒットとなっている。同作もエンタテインメントな時代劇としていつか絶対映像化されるのではないかと、杏さんは予想した。

『牛姫の嫁入り』は女忍者が主人公。派遣忍者として絶世の美女と噂された姫を誘拐するという依頼を受ける。しかしその姫は10年のひきこもりにより「牛」のように丸々と太っていた……。女忍者によるお姫様のダイエット計画が始まる、というコメディ時代劇。杏さんは「歴史が密に絡んでおらず、女忍びとお姫様がどうなる? と純粋に楽しめる作品」だと紹介した。

■杏さんが牛に?!

 杏さんは大倉さんに「映像化されたら牛姫を狙うということはない?」と問われ、CGで丸々と太った牛姫を演じる事に「ちょっと興味はあります」との答え。これには作者の大山さんも驚いたようで、後日大山さんのブログにて「わたし、杏さんは主演の美人忍者コウだと思っていました。だって、コウっぽいですもの!(中略)杏さんが、牛?(中略)それもありかな」と杏さん演じる丸々と太った華麗な牛姫姿を妄想したと反応していた。

大山淳子さんブログ『ぶんぶんブログ』記事「美女と牛!」
http://bunbunbin.cocolog-nifty.com/blog/2016/05/post-667a.html

■音で埋め尽くされたミステリ

 大倉さんは「具体的な音楽描写がないのに、音で埋め尽くされている物語」と『アメリカ最後の実験』宮内悠介[著](新潮社)を紹介した。主人公はピアニスト。失踪した父親を捜すためにアメリカ西海岸の難関音楽学校を受験し、そこで連鎖殺人に遭遇する。大倉さんは同書を数学にも似た音楽の複雑な魅力が語られながらも、ミステリとして「アメリカの歴史を辿り、話は何層かに複雑に交錯し、そこを全て音楽が繋いでいる。そこが魅力的」と評し「音楽小説としては最高。特にジャズ好きには」とコメントした。

 またゲストのバンド・空想委員会の三浦隆一さんが『売り込まなくても売れる! ― 説得いらずの高確率セールス』ジャック・ワース、ニコラス・E・ルーベン[著](フォレスト出版)を紹介。三省堂書店の内田剛さんが『地元パン手帖』甲斐みのり[著](グラフィック社)を紹介した。

BOOK BAR」はJ-WAVEにて毎週日曜0時(土曜深夜)から放送中。

BookBang編集部

Book Bang編集部
2016年5月31日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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