「とと姉ちゃん」で話題のイケメン坂口健太郎は歴史好き! 好きな作家も紹介

テレビ・ラジオで取り上げられた本

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 6月10日放送のNHK総合「あさイチ」に女優で作家・書評家としても知られる中江有里さん(42)が出演し、この日のゲストの俳優の坂口健太郎さん(24)の趣味に合わせ、歴史にまつわる本を紹介した。

 坂口さんはNHKの朝ドラ「とと姉ちゃん」にも出演中で、歴史好きとしても知られる。スタジオで好きな作家を聞かれ、池波正太郎や北方謙三が好きで、時代は戦国や幕末に興味があると答えていた。

 中江さんが紹介したのは以下の4作品。

『陽だまりの樹』手塚治虫[著](小学館)
『殿様の通信簿』磯田道史(新潮社)
『時代小説盛衰史』大村彦次郎[著](筑摩書房)
『化粧の日本史 美意識の移りかわり』山村博美[著](吉川弘文館)

■手塚治虫のルーツが描かれる

『陽だまりの樹』は幕末が舞台。作者の手塚さんのルーツを織り交ぜながら描いた大河ドラマ。滅びゆく武士いう生き方を貫こうとする若者と、無知や迷信と闘い近代医学の道を切り開こうとする若者の2人が主人公。彼らは正反対の生き方を選び、それぞれに激動の時代を必死で生きてゆく。実在の人物が多数登場し、手塚治虫の曽祖父・手塚良庵も登場する。しかし中江さんは「歴史に描かれずに亡くなったすばらしい人々が日本を支えてきたんだということも描かれており、非常に面白く是非お薦めの作品です」と紹介した。

■歴史上の人物の素顔を資料から読み解く

『殿様の通信簿』は『武士の家計簿』(新潮社)や『無私の日本人』(文藝春秋)などが映画化もされた歴史学者・磯田道史さんの2006年の作品。過去の史料を基に、歴史上の人物の素顔に迫っている。江戸幕府の隠密が集めた諸大名の評判記「土芥寇讎記」によると、水戸光圀は学者としても有名だったが、女癖が悪く「悪所通い」をしていたという。ただ悪所といっても娯楽や芸能も含まれており、藩主でありながらそのような場所にも一人で出入りしていたため、そのようなエピソードが集まって「水戸黄門」の話につながっているのではないか、と中江さんは解説した。そして歴史上の人物の素顔は「映画やドラマで描かれる高貴なイメージとギャップがあって面白い」と薦めた。

■「時代小説」の歴史を読む

『時代小説盛衰史』は時代小説の栄枯盛衰をみてきた編集者が著した一冊。明治・大正期、話芸の講談を活字にしたものからはじまった時代小説。当時は新聞記者が書いていおり、中里介山、野村胡堂、吉川英治らも元新聞記者だと中江さんは紹介した。そして直木賞の由来となった直木三十五や池波正太郎、司馬遼太郎や山本周五郎ら人気の作家が台頭し、時代小説がブームとなってゆく様子がわかりやすく描かれている。中江さんは「お好きな作家を追うのも面白いし、そうでない人は新しい作品に出会えるかもしれません」と同書の魅力を語った。

■化粧の歴史について唯一の本

『化粧の日本史 美意識の移りかわり』は顔から落としてしまうと残らない「化粧」について、丹念に資料にあたり、日本の化粧の実像を浮かび上がらせた一冊。日本の化粧は、日本独自の化粧が現れ出した平安中期から1000年以上「白・赤・黒」の3色のみであった。しかし絵画にあらわされた美意識は年々変化しており、眉毛の変遷が面白いと中江さんは紹介した。細くなったり太くなったり、江戸時代には無くなったりと、うつり変わる。豊富な写真で各時代の美人が紹介されており、アナウンサーの中谷文彦さん(48)は「化粧の歴史を古代から現代まで一冊にまとめたのおそらくこの本だけではないか、と編集者に聞いた」と紹介していた。

 中江さんは「歴史は色々な角度から見る事が出来る。物語として楽しむのもいいし資料から読み解くのもいい」と薦めると、有働由美子アナウンサー(47)は「ついでに大河ドラマで楽しむのもいいですね」と自局のドラマをアピールしていた。

あさイチ」はNHK総合で月曜から金曜朝8時15分から放送中。

BookBang編集部

Book Bang編集部
2016年6月10日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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