壇蜜が「また欲しくなる」と絶賛したあれのいれかたとは

テレビ・ラジオで取り上げられた本

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 久米宏さん(71)が書店店長、壇蜜さん(35)が書店員となり、毎回話題の本を取り上げるBS日テレの番組「久米書店」に6月19日、『紅茶の手帖』の著者・磯淵猛さんが出演した。磯淵さんの「とっておきの紅茶の淹れ方」が披露され久米さんは「生涯飲んだお茶の中で一番美味い」と驚きをあらわした。

■「午後の紅茶」をプロデュース

 磯淵さんは茶葉の輸入や紅茶専門店のプロデュースを手掛け、「キリン 午後の紅茶」や「モスバーガー」の紅茶もプロデュースしたことで知られる紅茶研究の第一人者。久米さんも「午後の紅茶」に対し「僕はあれが出た時感動しました。あんな美味い飲み物ははじめて飲んだ」と絶賛。磯淵さんの著書は紅茶の基礎知識から、科学的に美味さの理由まで解説されており、誰でも美味しい紅茶が淹れられるようになると評判だ。

■紅茶が手摘みのワケ

 番組では磯淵さんが約40年前、はじめてスリランカの紅茶畑を訪れた際のエピソードが紹介された。紅茶の葉は全て人の手によって摘まれており、当時磯淵さんは機械を売ったら売れるだろうなあ、とお茶のことなどなにも考えずに思っていたという。しかしその後、紅茶の木は機械摘みだと枝を傷つけてしまうことや、新芽が次々と芽吹く紅茶の特性を知り、とても機械では無理な作業であり、手作業こそ効率がよいと知ったという。現代でも世界中の紅茶はほとんどが手摘みである。

■適温は95~98度

 スリランカ産の出来たての茶葉を持参した磯淵さんは、美味しい紅茶の淹れ方をスタジオで披露した。磯淵さんは「美味しい紅茶の淹れ方はお湯の沸かし方が重要」だと語り、お湯に含まれている酸素が紅茶を美味しくすると解説。そして酸素を残したまま茶葉にお湯を注ぐためにはお湯の温度が95度から98度と話しながら、やかんの底からわき上がる気泡で温度を見分ける方法をレクチャーした。お湯を100度まで沸騰させずに、お湯の中にまだ酸素がある状態で注ぐことにより、残った酸素により茶葉が持ち上げられ対流するという。その葉の「ジャンピング」により、カフェインとカテキンが混ざり、香りと味と色がしっかりと出来るという。それが紅茶の美味しさのポイントとなると磯淵さんは語った。

■杉下右京は間違っているのか?

 それを聞いた久米さんは、テレビ朝日系ドラマ「相棒」で水谷豊(63)演じる杉下右京が茶葉にお湯を注ぐ際、高い位置から注いで酸素を混ぜている手つきを例にあげ、あの入れ方は間違いなんですね、と指摘した。ところが磯淵さんは「相棒」の監修をしているという。その淹れ方を見た全国の視聴者から問い合わせが相次いだため、磯淵さんは茶葉を苦いものと設定して「高い位置から注いで泡立てることにより甘くなる」となんとかこじつけたと告白した。その後はドラマ放映前に磯淵さんに相談の電話が来るため、「今では間違うことはありません」と笑っていた。

■また欲しくなる

 磯淵さんの淹れた極上の紅茶を飲んだ久米さんは「飲んだ時は思ってたよりずっとさっぱりしてて、あれっとおもうんだけど、飲み終わった後に快感がある」と後味の良さを絶賛。壇蜜さんの「また欲しくなる」との言葉には磯淵さんも顔をほころばせた。久米さんは番組最後に「生涯飲んだお茶の中で一番美味い」と振り返っていた。

 放送後、磯淵さんの『紅茶の手帖』はネット書店Amazonの「飲み物」関連本のなかで1位となっている。

 その日の「本のギョーカイ新聞」のコーナーでは銀座の文壇クラブ「銀座 クラブ数寄屋橋」が紹介された。また作者自身が本を売り込む「蜜読」のコーナーでは、『今すぐ「それ」をやめなさい! Dr.モリタのやめるだけで健康になる50のヒント』(すばる舎)の著者・森田豊さんが出演した。

久米書店 ヨクわかる!話題の一冊」はBS日テレにて毎週日曜18:00から放送中。

BookBang編集部

Book Bang編集部
2016年6月23日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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