「大人の男なら辛い道を選べ」伊集院静が震災で娘を失った父親に、笑うことを勧める

テレビ・ラジオで取り上げられた本

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 大竹まことさん(67)が司会を務める文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ!」のコーナー「大竹メインディッシュ」に7月27日、『不運と思うな。大人の流儀6 a genuine way of life』(講談社)を上梓した作家の伊集院静さんが出演した。

■不幸は誰にでも起きる

「大人の流儀」はこれまでに5作で140万部を突破した人気シリーズ。今作は辛い出来事と遭遇した人に贈る感動の一冊。弟や前妻の夏目雅子さんとの死別を経験した伊集院さんの言葉は温かく胸に響く。番組でも伊集院さんは「不幸なことは誰にでも起きる。不幸や悲しみを逃げ切れる人生はない。親や友人が死ぬように、地震が来るように、必ず悲しみは伴う。そのときの心の置きかた、そのひとつの違いで袋小路に入ってしまう」と不幸と出くわした時の心構えを説いた。

■必ず笑える日が来る

 大竹さんも「震災などで大切な人を失ったとき、自分のせいだ、自分だけなんで生き残るんだと考えてしまう人」を例に挙げると、伊集院さんは「罪の意識が出てしまう。逃げ場がない。手の下しようのないところが困る」と同情を示しながらも、「必ず新しい幸せに巡り合う。巡り合わなければ人類は続いていなかった。必ず笑える日が来る。光が来るのは確かだと思う」と温かい言葉で諭した。

■辛い道を選ぶのが大人の男

 同書の中で伊集院さんは震災で娘を失った父親に言葉をかけている。自分だけが幸せになり、笑うことが辛いと述べる父親に、笑うことが一番辛いなら笑いなさい、辛い道を選ぶのが大人の男の選択ではないか、と言い聞かせる。番組でも「人間は楽な方と辛い方があると楽な方を選んでしまう。しかしここまできたら辛い方を行ってみようかという腹の決め方が大人には大事」だと語った。

■大竹まこと朗読版『大人の流儀』

 シリーズの第1作目『大人の流儀』(講談社)はネット書店Amazonのオーディオブックサービス「Audible」にて配信の予定がある。その朗読を大竹さんが行った。大竹さんは「読み手と書き手の主観の違いが出てしまうので朗読は難しい」と語るも、伊集院さんは「非常に良かった、自分が若いころに書いた小説を読んでもらいたい」とAudible版の出来栄えを賞賛していた。

『不運と思うな。』の刊行を記念して、これまでの5冊が電子書籍化され各種電子書籍ストアより配信がはじまっている。

大竹まこと ゴールデンラジオ!」は文化放送にて月曜から金曜午後1時から放送中。

BookBang編集部

Book Bang編集部
2016年7月29日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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