芥川賞作家・田中慎弥「向いてない仕事をしている。痛々しい」安倍総理の印象を語る

テレビ・ラジオで取り上げられた本

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 大竹まことさん(67)が司会を務める文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ!」のコーナー「大竹メインディッシュ」に8月5日、作家の田中慎弥さん(43)が出演した。田中さんは同郷の安倍晋三内閣総理大臣(61)に会った際の印象を「向いてない仕事をしている。痛々しい」と語った。

■田中節VS大竹節

 山口県出身の田中さんは2012年に『共喰い』(集英社)で第146回芥川賞を受賞。高校卒業後、職に就かず、十数年小説を書いて過ごしていたことでも話題となった。番組では現在は東京在住で作家仲間との付き合いも増えたと明かした。

 田中さんは5月に『炎と苗木 田中慎弥の掌劇場』(毎日新聞出版)を上梓したばかり。大竹さんに「ぶっちゃけ本の宣伝みたいなことじゃないと出ないですよね。ちょっと面倒くせえなみたいな」とラジオ出演に関しても問われると「まあ、そうですよね。面倒くさいくらいがいいんじゃないですか」と芥川賞の受賞会見でも話題となった「田中節」で応酬。しかしその後はお互いに「顔が怒っている」と言われる者同士意気投合していた。

 同作は毎日新聞に連載されていた1篇1600字の小説を44篇まとめたもの。なかには「自死」を感じさせる掌編や現実の政治を反映させたものもある。同郷の安倍総理を題材にした一篇も収録されている。田中さんは2015年に出版された『宰相A』(新潮社)でも安倍総理をモチーフとし、ファンタジーの世界に昇華させている。

■安倍総理は痛々しい

 田中さんはあるパーティーで安倍総理と会った際の印象を語った。そこで田中さんが感じたのは「この人は向いてない仕事をしている。だからやれているんだな」との印象。そして安倍総理は無理をして自分に鞭打って仕事をしているんだということが伝わってきたという。テレビで見ていても「痛々しい」と感じると述べ、その痛々しさは血筋から来ていると説く。安保法制の整備や憲法改正にまい進するその姿からは、安倍総理本人は意識していなくとも、祖父・岸信介のできなかったことを成し遂げることで血筋の呪縛から解放されたいという考えがあるのではないかと述べた。

 そして安倍総理が血筋や父権や父性にこだわりを持つのとは逆に、自分は父親がいない状況で育ってきたと明かす。田中さんは4歳の時に父親を亡くし、祖父や父・安倍晋太郎、大叔父・佐藤栄作らの仕事を目にしながら育ってきた安倍総理とはまったく正反対。田中さんは「だから興味がある、人物に対する興味が」と安倍総理に対する複雑な思いを語った。

大竹まこと ゴールデンラジオ!」は文化放送にて月曜から金曜午後1時から放送中。

BookBang編集部

Book Bang編集部
2016年8月9日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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