「仕掛け絵本」はこんなに進化している! 紙の本の魅力を再発見

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 8月27日放送のTBS「王様のブランチ」のブックコーナーで驚きと仕掛けの詰まったサプライズ本の特集が行われた。紙の本ならではの魅力に溢れた仕掛け絵本にスタジオの面々も驚きをあらわしていた。

■3・7メートルの一枚絵

 まず最初にとりあげられたのは『メガロポリス―空から宇宙人がやってきた!』クレア・デュドネ[著](NHK出版)。同書はイタリアの児童書フェアで審査員特別賞を受賞し、世界12の国と地域で発売が決まっている。フランス発の絵本で大都市メガロポリスが絵巻物のように1枚の長い紙に描かれ、縦に広げるとなんと3・7メートル。ストーリーはメガロポリスにやってきた宇宙人があるトラブルに巻き込まれつつも、街の人との絆を築いてゆく。お話の展開とともに、大都市の上空から地下までが描かれる。

 番組に出演した作者のクレアさんは引っ越しをした際の自分の経験が基になっていると話し、「どこに住んでも温かい人間関係を築ければ、そこがホームタウンになることを実感した」と同作執筆のきっかけを語った。

■進化した「動く写真」

 次に取り上げられたのは、動く写真シリーズ『ポーラー』キャロル・カウフマン[著]ダン・ケイネン[著](大日本絵画)。ページをめくると画像が動くように変わってゆく最新のフォティキュラー技術が使用してある。昔からあるレンチキュラーが進化した仕組みだ。北極と南極を舞台に動物たちの生態が楽しめる。他にも『サファリ』や『オーシャン』など同じ仕組みを使った絵本も出版されている。

■職人が編んだジオラマ絵本

 続いて取り上げられたのは『360°BOOK 富士山 Mount FUJI』大野友資[著](青幻舎)。360°BOOKとは円を描くように本を広げると、本の中に立体ジオラマがあらわれる。作者の大野さんは一級建築士の資格を持ち、その知識を基に作られた。またこの絵本は一冊一冊職人による手作りで作られている。また番組では9月に発売予定の『地球と月』が特別に公開された。地球の周りを細かく表現された宇宙船や宇宙飛行士、人工衛星が飛び交う繊細な一作だ。

 驚きの仕掛け絵本をみてきた番組MCの谷原章介さん(44)は「電子書籍ではできない本ならではの魅力ですよね」と語ると、番組解説者の早稲田大学文学学術院准教授の市川真人さんも「手で触る魅力が見直されている」と話し、一連の仕掛け絵本は「コミュニケーションツール」であると解説した。

「王様のブランチ」はTBSにて毎週土曜日9:30から放送中。

BookBang編集部

Book Bang編集部
2016年8月29日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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