93歳の佐藤愛子が三連覇! 注目は「〆切」にまつわる異色の一冊【エッセイ・ベストセラー】

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 8月28日~9月3日のエッセイ売り上げランキング第1位は3週連続で佐藤愛子さんの人気エッセイをまとめた『九十歳。何がめでたい』だった。第2位は88歳の現役モデルが綴る人生訓『人はいくつになっても、美しい』。第3位はこちらも発売以降3位以内をキープし続けるエッセイスト阿川佐和子さんが父親について書いた『強父論』だった。

 4位以降の注目は、4位にランクインした『〆切本』。夏目漱石から村上春樹、西加奈子まで90人の書き手が〆切を守れぬ言い訳から、〆切があることで頑張れるという告白、〆切を守らせようとする編集者との戦いなど、〆切にまつわるエッセイ、対談などを収録した異色の一冊。8月終わりの発売以降ネットを中心に話題となり、Amazonでの売れ行きが好調だ。

1位『九十歳。何がめでたい』佐藤愛子[著](小学館)

『九十歳。何がめでたい』というタイトルには、佐藤愛子さん曰く「ヤケクソが籠っています」。2016年5月まで1年に渡って『女性セブン』に連載された大人気エッセイに加筆修正を加えたものです。大正12年生まれ、今年93歳になる佐藤さんは2014年、長い作家生活の集大成として『晩鐘』を書き上げました。一度は下ろした幕を再び上げて始まった連載『九十歳。何がめでたい』は、「暴れ猪」佐藤節が全開。自分の身体に次々に起こる「故障」を嘆き、時代の「進歩」を怒り、悩める年若い人たちを叱りながらも、あたたかく鼓舞しています。ぜひ日本最高峰の名エッセイをご堪能ください。(小学館ウェブサイトより抜粋)

 Book Bangでは書店員さんによる書評が掲載されている。
ブックセンターササエ(佐々栄文盛堂)さんレビュー

「喝!!」

「怒りの書」と帯の紹介文にあります。確かに、文中「!」が頻出します。佐藤先生による「喝!」とでも言うべきエクスクラメーションマークが。 「進歩」した「文明社会」に対する違和感。「進歩」の代償として失われていく人の「情」、そんな世への嗟嘆。時にユーモアを交えつつ、「卒寿?ナニがめでてえ!」「いちいちうるせえ!」と弛んだ世の中を一喝する。…
https://www.bookbang.jp/review/article/517484

2位『人はいくつになっても、美しい』ダフネ・セルフ[著](幻冬舎)

 88歳の現役モデルが教える昨日のあなたより、今日のあなたを好きになる方法。「美しさは心に宿るものです。いつもわくわくすることを心に思い描いて、きらきらした目で世界を見続けていれば、その心の輝きは必ず顔に表れます。」(幻冬舎新聞広告より抜粋)著者は1928年生まれ、イギリス在住の現役ファッションモデル。世界最高齢のスーパーモデルとしてギネス認定。現在も活躍中。

3位『強父論』阿川佐和子[著](文藝春秋)

 阿川弘之氏が94歳で大往生されてから、今年八月で一年。娘佐和子が、強父語録とともに、父との62年間を振り返ります。「勉強なんかするな。学校へ行くな」……弘之氏は、特に娘は、勉強なんかしなくてもいいから、家でうまい食事を作れ、という主義でした。大学のテスト期間中も、サワコ嬢はお酌の相手をさせられたのでした。いまや絶滅寸前の、怖くて強い父親ぶりが存分に描かれます。(文藝春秋ウェブサイトより抜粋)

 4位以下は次の通り。

4位『〆切本』夏目漱石ほか[著](左右社)

5位『人に心を開いてもらいたい時、私が必ずやること、やらないこと。』久本雅美[著](TAC出版)

6位『日常を探検に変える――ナチュラル・エクスプローラーのすすめ』トリスタン・グーリー[著](紀伊國屋書店)

7位『映画を撮りながら考えたこと』是枝裕和[著](ミシマ社)

8位『センス・オブ・ワンダー』レイチェル・カーソン[著](新潮社)

9位『黄色いマンション 黒い猫』小泉今日子[著](スイッチパブリッシング)

10位『不運と思うな。大人の流儀6 a genuine way of life』伊集院静[著](講談社)

Amazonエッセイ売り上げランキングより 集計期間8月28日~9月3日〉

BookBang編集部

Book Bang編集部
2016年9月8日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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