「センスがないから」はウソ。それはモノゴトを知らないだけだ――「質こそ量」の発想力トレーニングとは

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センスって何だ?

美的感覚やある種の才能の欠如を自覚して、「おれにはセンスがないから」とあきらめていませんか? あるいは部下の仕事に満足がいかず「あいつの発想にはセンスがない」と断じたりしていませんか?

私たちは「センスの良し悪し」を、生まれ持っての感覚に由来するように考えがちです。しかし、元・博報堂の制作部長で「発想法」に関する多数の著書を持つ高橋宣行氏は、最新の著書において「人と違う発想を生み出すためのキーとなるのがセンス」としたうえで、こう言います。

「センスは、天性のものじゃない!」

本当ですか? でもそもそも、「センス」とは何か、わかっているようで実はわからないのですが。高橋さんの定義を聞いてみましょう。

仕事や暮らし……モノゴトのすべてに関わっているのがセンスです。そこで私は、センスを「微妙な違いを感じとる感覚」と解釈。モノゴトの微妙な違いに気づき、感じ、嗅ぎわけられる感覚の総体と考えます。(中略)「センスがいい、悪い」は、白か黒か、ゼロか100かがわかることではなく、実は「微妙」を認知したり、分別したり、感じ取れるかどうかで評価されるものです。それは勘がいいともいわれます」
(『高橋宣行の発想筋トレ』以下同書、18ページより)

センスがない人はいない!

なるほど、「微妙を認知」「勘がいい」……。そう聞くとやはり、センスの良し悪しは生まれ持っての感覚がものをいうような気がしますが、高橋氏は言下に否定します。

アートディレクターの水野学氏は、「センスがある人はいるが、センスがないひとはいない。ないのは知識です」と。まさに言い得て妙。あえて「ない」としたら、その原因はモノゴトを知らない、経験が乏しい、につきます。
(同書30ページより)

つまり、私たちが自分にセンスがないと感じる原因は、知識と経験の不足にあるわけですね。それならあきらめることはない。未知なものを見たり、聞いたり、読んだり、体験することで得た知識や体験がベースになってセンスとして表れるなら、センスは誰でも磨けるもの、ということになります。

日本実業出版社
2016年10月7日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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