『60年代ポップ少年』
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【書評】『60年代ポップ少年』亀和田武著
[レビュアー] 産経新聞社
1949年生まれのコラムニストが、12歳から22歳までの10年間を描いた自伝的エッセーである。勉強を放棄した著者が愛したのは、甘いメロディーの感傷的ポップス、SF、ジャズ、永島慎二、フランス映画、『ライ麦畑でつかまえて』…。感傷的ポップスを撃退したビートルズは大嫌いだった。
そんな著者が69年、2浪して吉祥寺の大学に入学するや、学生運動に巻き込まれ、ヘルメットをかぶった美少女に恋をする…。ポップを愛するナンパな青年の目を通して描かれた60年代の空気はとても新鮮で、深刻ぶった類書を笑い飛ばす破壊力がある。(小学館・1650円+税)