稲垣吾郎 JAL破綻の原因を知り「あらゆる世の中の企業に通じるものがある」と納得

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 SMAPの稲垣吾郎さん(42)が司会を務める読書バラエティー「ゴロウ・デラックス」に10月28日、大和総研専務理事の引頭麻実さんが出演した。JALの破綻と再生を取材したアナリストがその内幕を明かした。

■JAL経営破綻の要因は?

 引頭さんは日本航空の経営再建の内幕を追った『JAL再生―高収益企業への転換』(日本経済新聞出版社)の著者。2010年に経営破綻したJALは経営の神様・稲盛和夫を迎え、意識改革に成功し、わずか1年半でV字回復を果たした。破綻の要因から奇跡の復活をとげたその裏側を、分析のプロである引頭さんが徹底的に取材しまとめたのが同書だ。同書は海外でも多数翻訳され高い評価を受けている。

 引頭さんは破綻の最大の要因は、社員たちの「自分の会社は潰れない」という意識だったという。社員にとってJALは高度経済成長から続く日本経済拡大の象徴であり、日の丸を背負った「ナショナルフラッグキャリア」。それゆえに潰れない、潰せないだろうという思い込みがあったと引頭さんは分析する。そして皆が「誰かがなんとかしてくれる」と他人事のように考えていたと解説した。

■“上から目線”からの変化

 では具体的にはどのような改革が行われたのかと稲垣さんが問うと、引頭さんは社員のプライドの変化があったと述べる。破綻前はナショナルフラッグキャリアであるとのプライドから、お客様より航空会社のほうが上の立場であるとの意識があり「言葉を選ばずに言うと、少し上から目線だった」という。それを「お客様が喜んでくれること」に対してプライドを持とうと意識改革が行われた。

 他にも「顧客サービスよりマニュアル主義」「他の部署は別会社のような認識」「経営と現場の距離が離れている」等の破綻の要因をあげ、その再生後の変化を解説した。

 同書を読んだ番組アシスタントの外山惠理アナウンサー(41)は「これってJALだけの話じゃないぞ」と気付いたと感想を述べると、稲垣さんも「あらゆる世の中の企業に通じるものがある」と頷いていた。

■電力会社はどうやって選べばよいのか

 引頭さんは国のエネルギー政策に関する委員会にも多数参加している。この日は稲垣さんに電力・ガスの自由化のメリットや意義についても解説した。この4月から個人も電力会社を選べるようになり、10月24日現在電力の小売業者は356社に上るという。

 しかし稲垣さんは自由化後も電力会社を変えておらず「何を基準に選べばいいんでしょう」と誰もが思う疑問を口にした。引頭さんは異業種との提携が出来るようになったので「よく使うポイントカードと合体しているとお得」と述べ、自分のライフスタイルに合致しているかどうかで選べばよいとあげた。また会社の方針も重要な指針だという。エコに力をいれているなどの会社もあり、自分の信条に合う会社を選べばよいと解説。選択の際には価格比較サイトで選ぶと便利だとも語った。

ゴロウ・デラックス」はTBSにて毎週木曜日深夜0:58から放送中。次回のゲストは元ピチカート・ファイヴの野宮真貴さん。

BookBang編集部

Book Bang編集部
2016年10月29日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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