「1日1万歩」が実は体に毒ってホント?──5千人・15年の追跡調査でわかった「奇跡の研究」

ニュース

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

■運動強度はどうやって計ればいいのか

 それでも「中強度」がいまいちイメージしにくい、という声が聞こえてきそうですね。 では、より具体的に生活に落とし込んで見ていきましょう。

 まず1つ目は、おそらくほとんどの年代、特に中高年以降の年代の人にとって、「速歩き」こそが「中強度」を代表する運動であるということです。誰にでもできて、しかもほとんどの人にとって「中強度」となる運動はなかなかないものですが、「速歩き」ならば、環境や状況を選ばす、誰でもいつでもできる運動です。

 2つ目は、「あなたの『速歩き』が、あなたにとって本当に『中強度』なのか?」を測る基準は何かということ。

 これが、「なんとか会話ができる程度」の速歩きです。

 「なんとか会話ができる程度」の状態とは、息が楽すぎもせず、かといって息苦しすぎもしない状態を表しています。その状態こそが「あなたの最大酸素摂取量の40〜60%程度」の目安であり、あなたにとっての「中強度」運動なのです。

 のんびり散歩のように、鼻歌が出るくらいの歩き方だと、ゆっくりすぎます(「低強度」)。
 競歩などのように、会話ができないほどの歩き方だと、速すぎます(「高強度」)。

■いつ頃から効果が現れてくるか

 では、「8000歩/20分」のウォーキング生活は、どのくらい継続して行うと大きな効果が得られるのでしょうか?

 1つの大きな目安は、2カ月です。

 なぜなら、2カ月であなたの「長寿遺伝子」にスイッチが入るからです。
 「長寿遺伝子? 『遺伝子』よりも『生活習慣』のほうが健康に大きな影響を与えるって言っていたのに、ここでは『遺伝子』の話になるの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。

 実は長寿遺伝子は、「究極の生活習慣」である「8000歩/20分」を毎日続けることで初めて目を覚ます、ちょっと変わった遺伝子なのです。

 つまり「遺伝子(そのもの)」というよりむしろ「生活習慣と遺伝子(の活性化)」の話です。2カ月間ほど休むと、長寿遺伝子は残念ながら再び眠りに就いてしまいます。ですから、あなたの体内で眠っている長寿遺伝子を目覚めさせ、そして常に活性化させておくためにも、「8000歩/20分」のウォーキング生活を毎日続けてほしいのです。

SBクリエイティブ
2016年11月10日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

SBクリエイティブ

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

SBクリエイティブ株式会社のご案内

SBクリエイティブが出版しているビジネス書、実用書、IT書、科学書籍の関連記事や、著者自身の解説による動画コンテンツなどを配信しています。