刑務所内で開かれる「プリズン・ブック・クラブ」とは?

テレビ・ラジオで取り上げられた本

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 11月9日放送のNHK総合「ひるまえほっと」に女優で作家・書評家の中江有里さん(42)が出演し、月に1度の「ブックレビュー」コーナーで3冊の本を紹介した。

 この日中江さんが紹介したのは、

プリズン・ブック・クラブ コリンズ・ベイ刑務所読書会の一年』アン・ウォームズリー[著](紀伊國屋書店)
花や今宵の』藤谷治[著](講談社)
はにわ』まりこふん[著](青月社)

■受刑者たちが集まる読書会
『プリズン・ブック・クラブ』はカナダの刑務所で定期的に開かれる読書会。ボランティアとして関わった著者が、読書を通して変わっていく受刑者たちを1年にわたって記録したノンフィクション。著者はかつて強盗に襲われた経験があるという。そのようなトラウマがありながら、受刑者たちと本の感想を語り合うなかで心の交流が生まれてくる。受刑者たちもまた過酷な刑務所暮しの中で読書会に参加することで、自身の経験や考え方を話し合い理解し合うことで、人とのつながりを取り戻し救われてゆく。メンバーの「本を1冊読むたびに自分の中の窓が開く」という言葉に中江さんは「読むことによって自分の中の風通しがよくなる。こういうことだったんだってわかる瞬間がある。読書の魅力があらわれている」と共感を示した。

■解釈の分かれる幻想的な小説
『花や今宵の』は幻想的な小説。19年前一緒に訪れた山で目の前で突然消えた少女。謎を探るため青年は少女の父親とともに再び山へ向かう。その山は神隠しの伝説や12月に咲く不思議な桜、平家の落人が辿りついた、など幻想的な言い伝えに彩られた不思議な場所。そこで待つ予想外の出来事とは。中江さんは「クライマックスを何回も読み返した。人によって解釈が違うと思う。(登場人物の人生を)自分の人生に置き換えてしまう瞬間もあった。読むと人にどう思った?って聞きたくなる」とめくるめく小説世界に感嘆していた。

■「はに丸」好きにオススメ
『はにわ』は“はにわ”をかわいいという独自の視点でまとめたビジュアル満載の一冊。可愛くて奥深い埴輪の世界が楽しめる。中江さんも子供向け番組「はに丸」含め埴輪好きだという。「なにか言いたげだけど何も言えない表情が好き」と告白し、掲載された埴輪の種類に驚きをあらわした。著者は「ウキウキはにわ」「歌舞伎はにわ」など名前をつけ様々な埴輪を紹介している。中江さんは「それぞれ魂の宿る場所、権力をあらわすものなど当時の人の様々な思いが込められているんだなっていうことがわかった。埴輪の歴史は実に深い」とますます埴輪にはまってしまいそうだと語った。

 今回の3冊について中江さんは「想像力とか解釈の幅広さを改めて思いました。読書の魅力はそういうとこにある。同じ本を読んでも同じ感想を持たない、でもそれがいいんだっていうところ。この3冊を読んでますます本を読みたいって気持ちになってもらえたらと思っています」と語り、読書の魅力を解説した。

ひるまえほっと」はNHK総合で月曜から金曜11:05からの放送。「ブックレビュー」コーナーは月に1度放送される。

BookBang編集部

Book Bang編集部
2016年11月16日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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