【手帖】読む西洋美術の通史

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 西洋美術の全集といえば、ビジュアル重視、図版ありきの大判というのが定石だ。作品解説はあるものの、古代ギリシャ・ローマ美術から20世紀の現代美術に至る、大河のごとき西洋美術の流れを深く理解するには、時代ごとの政治背景や社会状況などを知る必要があるだろう。

 今年10月に中央公論新社が刊行を開始した全集『西洋美術の歴史』(全8巻、各3800円+税)のコンセプトは“読む西洋美術の通史”。B6判変型のコンパクトなサイズで、全巻の編集委員を小佐野重利・東大教授、小池寿子・国学院大教授、三浦篤・東大教授の重鎮3人が務めている。

 毎月発刊で順は不同。既にイタリア・ルネサンスを扱う第4巻「ルネサンスI」と、バロックからロココへの展開をたどる第6巻「17~18世紀」が刊行されており、来月にはキリスト教美術の誕生とビザンティン美術に焦点を当てた第2巻「中世I」が発売予定。作品の背景を知れば、見え方も変わってくる。

産経新聞
2016年11月20日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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