女優の杏 座右の銘は「これ“で”いいより、これ“が”いい」ドラマ前の徹底した準備を語る

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 女優の杏さん(30)とナビゲーターの大倉眞一郎さんが毎週1冊ずつ本を持ちより紹介するJ-WAVEの番組「BOOK BAR」。12月4日の放送で大倉さんは杏さんのエッセイ『杏の気分ほろほろ』をとりあげ、杏さんが仕事に取り組む姿勢を明かした。

■猫好きがグッとくるトリビュート短編集

 杏さんはこの日「あの猫もこの猫もみんな100万分の1」と『100万分の1回のねこ』(講談社)を紹介した。同書は佐野洋子の名作絵本『100万回生きたねこ』に捧げられた短編集。人気の作家13人による短編小説や詩が収められている。このトリビュートに参加したのは江國香織、角田光代、町田康、今江祥智、山田詠美、川上弘美、谷川俊太郎ら錚々たる作家陣。ただし作品に猫が必ずしも出てくるとは限らない。切り口は様々で猫にフォーカスしたり「100万回」に注目したりと多様な作品が並んでいる。

 短編の合間には参加した作家たちのプロフィールとエピソードが綴られており、杏さんは一番笑ったのはこれ、と山田詠美さんのエピソードを紹介した。山田さんはある男性から『100万回生きたねこ』を愛の言葉とともに贈られた。しかし他の女性にも贈っていたと後に発覚。「100万分の1回くらいの殺意が湧きました」と明かしている。

 杏さんは猫好きだが猫アレルギーがあり、猫を飼うことに「憧れます」と告白。短編の中には家猫が逃げだし心配するエピソードなどもあるため、猫を飼っている人が読んだらもっとグッとくる一冊だろうと解説した。

■杏さん激動の日々を綴ったエッセイ

 大倉さんは「本日は著者の方をお招きしました」と杏さんが10月に上梓した2冊目のエッセイ『杏の気分ほろほろ』(朝日新聞出版)を紹介した。同書は朝日新聞デジタルで月1回連載されていたコラムを書籍化。2013年のNHK連続テレビ小説「ごちそうさん」から「花咲舞が黙ってない」「デート~恋とはどんなものかしら~」映画「オケ老人」まで、女優として駆け抜けた杏さん。そして結婚、出産と人生のあらたなステージへと進んだ3年半の日々が綴られている。

 2008年から杏さんと付き合いがあり、モデルから女優へと歩みを進めて行った杏さんを間近で見ていた大倉さん。同書の中にも「知人」として登場している。大倉さんは「素直で丁寧にその都度感じたことを嘘もなにもなく書いている」と杏さんのときどきの本音と素顔があらわれた一冊だと太鼓判を押した。

 大倉さんは杏さんの性格を「自分のなかで消化、納得するまで絶対にダメじゃない」と徹底していると暴露する。杏さんはドラマの台本を自分で手書きするなどしつこいほどに準備をするというのだ。それに対し杏さんは
「これ“で”いいより、これ“が”いい」
 と座右の銘を語り、ドラマでは編集や宣伝には関われないため、納得がいくまで撮影の現場で頑張る、と仕事に取り組む姿勢を明かしていた。

 3週連続のゲストとして作家の二宮敦人さんが出演。東京藝大の知られざる実態をルポルタージュしたノンフィクション『最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常』(新潮社)が人気の二宮さんは、同じくノンフィクションの『日本海のイカ』足立倫行[著](新潮社)を紹介した。また八重洲ブックセンター上大岡店の平井真実さんが『ボタニカル・ライフ―植物生活―』いとうせいこう[著](新潮社)を紹介した。

BOOK BAR」はJ-WAVEにて毎週日曜0時(土曜深夜)から放送中。

BookBang編集部

Book Bang編集部
2016年12月8日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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