米澤穂信 6年ぶりの学園ミステリ〈古典部〉シリーズ最新作が初登場第1位に!【文芸書・ベストセラー】

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 11月27日~12月3日のAmazonの文芸書売り上げランキングが発表され、第1位は米澤穂信さんの青春ミステリ〈古典部〉シリーズの最新作『いまさら翼といわれても』が獲得した。

 第2位は第155回芥川賞を受賞した村田沙耶香さんの『コンビニ人間』。第3位は巨大自動車企業をモデルにした小説『トヨトミの野望 小説・巨大自動車企業』となった。

 11月30日の発売開始とともに初登場1位となった『いまさら翼といわれても』は米澤さんのデビュー作『氷菓』(KADOKAWA)よりはじまる学園ミステリ〈古典部〉シリーズの最新作。これまで5冊が刊行され今回の作品は6年ぶりの待望の新刊。刊行に合わせKADOKAWAの特設サイトではスペシャル企画「米澤穂信の一問一答」が行われている。古典部シリーズの疑問のみならず、米澤さんが「どのような環境で執筆しているのか」「料理をする際のこだわり」「元ネタになったミステリ作品はあるのか」などプライベートから創作に関する質問まで、読者からの疑問に真摯に答えている。質問の受け付けは12月15日まで。
http://shoten.kadokawa.co.jp/sp/201202-04/

1位『いまさら翼といわれても』米澤穂信[著](KADOKAWA)
 累計205万部突破の〈古典部〉シリーズ最新作! 誰もが「大人」になるため、挑まなければいけない謎がある――『満願』『王とサーカス』の著者による、不動のベスト青春ミステリ! 奉太郎、える、里志、摩耶花――時間は進む、わかっているはずなのに。〈古典部〉4人の過去と未来が明らかになる、瑞々しくもビターな全6篇。(KADOKAWAウェブサイトより抜粋)

2位『コンビニ人間』村田沙耶香[著](文藝春秋)

 36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて……。現代の実存を軽やかに問い、正常と異常の境目がゆらぐ衝撃のリアリズム小説。第155回芥川賞受賞。(文藝春秋ウェブサイトより抜粋)

 Book Bangでは写真家の長島有里枝さんと、文芸ジャーナリスト佐久間文子さん、書店員さんによる書評が掲載されている。

長島有里枝さん(写真家)レビュー
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異質な自分をめぐって
社会生活のあらゆる場で、自分が「異質」だと思い知らされているのに、自分のなにが「悪い」のかはいつまでたってもわからない。芥川賞に決まったこの作品の主人公を通して、見えてくるのは自分にも馴染(なじ)み深い、そんな世界だ。…
https://www.bookbang.jp/review/article/516453
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佐久間文子さん(文芸ジャーナリスト)レビュー
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ひっそり異議を唱える芥川賞受賞作『コンビニ人間』
「コンビニ人間」と聞いて、あなたはどういう人間を想像するだろう。他人に都合よくつかわれる人? いつもコンビニにいる人? それともコンビニのご飯ばかり食べている人だろうか。
 本書の主人公、三十六歳独身の恵子はそのいずれにも当てはまる、べテランコンビニ店員である。一つの店舗に十八年という勤続期間の長さは「コンビニのバイト」というどこの街にもいる透明な存在に特別な重みを与え、バイト仲間や学生時代の友人からの「なぜ?」という質問を誘発してしまう。…
https://www.bookbang.jp/review/article/517103
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渕書店さんレビュー
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「人生それぞれ。何が悪い?ゴーゴー!!」
主人公の周囲に対する冷めた温度感は読者を妙に安定させる。清々しくて心地いい。社会学的見地から読めばまた別の読みかたも生まれるのであろうがそんな読み方はしなかった。彼女の生きざまを「障害」とみる見方もあるし、彼女の周囲はそう考えるわけだが――。…
https://www.bookbang.jp/review/article/517515
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3位『トヨトミの野望 小説・巨大自動車企業』梶山三郎[著](講談社)

 創業家VS.左遷サラリーマン! 日本の救世主は、ハズレ社員だった。気鋭の経済記者が覆面作家となって挑む日本最大のタブー「27兆円企業」に迫る!「失われた20年を、高度成長期並みに駆け、世界一となったあのトヨトミ自動車が潰れるときは、日本が終わるとき。日本経済最後の砦・巨大自動車企業の真実を伝えたいから、私は、ノンフィクションではなく、小説を書きました」(梶山三郎)(講談社ウェブサイトより)

 Book Bangでは上智大学文学部教授の碓井広義さんによる書評が掲載されている。

碓井広義さん(上智大学文学部新聞学科教授)レビュー
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 初めて目にする著者だが、覆面作家だ。実は現役の経済記者だという。梶山三郎という名前は、梶山季之と城山三郎のミックスではないかと勝手に想像している。梶山には新車開発の裏側と産業スパイの活動を描いた出世作『黒の試走車』があり、城山にも本田技研の海外進出をモチーフにした小説『勇者は語らず』がある。…
https://www.bookbang.jp/review/article/521789
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 4位以下は次の通り。

4位『マチネの終わりに』平野啓一郎[著](毎日新聞出版)

5位『蜜蜂と遠雷』恩田陸[著](幻冬舎)

6位『カエルの楽園』百田尚樹[著](新潮社)

7位『i(アイ)』西加奈子[著](ポプラ社)

8位『掟上今日子の旅行記』西尾維新[著](講談社)

9位『恋のゴンドラ』東野圭吾[著](実業之日本社)

10位『ニンジャスレイヤー リフォージング・ザ・ヘイトレッド (不滅のニンジャソウル # 6)』ブラッドレー・ボンド[著](KADOKAWA)

Amazon文芸書売り上げランキングより 集計期間11月27日~12月3日〉

BookBang編集部

Book Bang編集部
2016年12月10日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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