自閉症の人は心の中で何を考えているのか? 日本から世界中に広まったベストセラーが1位に【文庫・ベストセラー】

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 12月12日~12月18日のAmazonの文庫売り上げランキングが発表され、第1位は自閉症の作家、東田直樹さんのエッセイ『自閉症の僕が跳びはねる理由』が獲得した。

 第2位はTBSの火曜ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』で話題の星野源さんのエッセイ『そして生活はつづく』。第3位は映画「君の名は。」の新海誠監督自身が執筆した『小説 君の名は。』となった。

 1位となった『自閉症の僕が跳びはねる理由』は、著者の東田さんを追ったNHKのドキュメンタリー番組「自閉症の君が教えてくれたこと」が11日に放送され話題となった。他人と会話のできない自閉症当事者の著者が心の内を文章で綴っており、自閉症児の気持ちについて理解が深まる一冊だ。同書は30か国語以上に翻訳され世界中でベストセラーとなっている。

 4位以下で注目は6位にランクインした『殺人犯はそこにいる』。同書は足利事件など北関東で起こった五つの未解決事件が同一犯によるものと推測し、真相に迫るノンフィクション。2013年12月に単行本で出版され、2016年6月に文庫化された作品だが、ここにきて突如ランクインをしたのは理由があった。

 2016年7月、盛岡市のさわや書店フェザン店が同書にカバーをかけ、タイトルや著者名も全て隠した状態で「文庫X」と銘打ち店頭にて展開をはじめた。カバーには書店員さんからの熱いメッセージが並び、ひとつの書店だけで千冊以上売れた。この試みは全国の書店に広がり、発行部数は18万部を突破した。今月9日に中身が明かされネット上でも話題となりランクインを果たした。

1位『自閉症の僕が跳びはねる理由』東田直樹[著](KADOKAWA/角川学芸出版)

「自閉の世界は、みんなから見れば謎だらけです」――会話のできない自閉症者である中学生がその心の声を綴り、世界に衝撃と感動をもたらした話題作。Q&A方式で、みんなが自閉症に感じる「なぜ」を語る。(KADOKAWAウェブサイトより)

2位『そして生活はつづく』星野源[著](文藝春秋)

 俳優で音楽家、星野源はじめてのエッセイ集。携帯電話の料金を払い忘れても、部屋が荒れ放題でも、人付き合いが苦手でも、誰にでも朝日は昇り、何があっても生活はつづいていく。ならば、そんな素晴らしくない日常を、つまらない生活をおもしろがろう! 音楽家で俳優の星野源、初めてのエッセイ集。俳優・きたろうとの文庫版特別対談「く…そして生活はつづく」も収録。 (文藝春秋ウェブサイトより)

3位『小説 君の名は。』新海誠[著](KADOKAWA/メディアファクトリー)

 山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉は、自分が男の子になる夢を見る。見慣れない部屋、見知らぬ友人、目の前に広がるのは東京の街並み。一方、東京で暮らす男子高校生・瀧も、山奥の町で自分が女子高校生になる夢を見る。やがて二人は夢の中で入れ替わっていることに気づくが――。出会うことのない二人の出逢いから、運命の歯車が動き出す。長編アニメーション『君の名は。』の、新海誠監督みずから執筆した原作小説。(KADOKAWAウェブサイトより)

 4位以下は次の通り。

4位『働く男』星野源[著](文藝春秋)

5位『【Amazon co.jp限定】憎らしい彼 美しい彼2 書き下ろしショートストーリー付き』凪良ゆう[著](徳間書店)

6位『自閉症の僕が跳びはねる理由 (2)』東田直樹[著](KADOKAWA/角川学芸出版)

7位『殺人犯はそこにいる』潔, 清水[著](新潮社)

8位『君の名は。 Another Side:Earthbound』加納新太[著](KADOKAWA/角川書店)

9位『アクセル・ワールド21 -雪の妖精-』川原礫[著](KADOKAWA)

10位『星の王子さま』サン=テグジュペリ[著](新潮社)

Amazon文庫売り上げランキングより 集計期間12月12日~12月18日〉

BookBang編集部

Book Bang編集部
2016年12月23日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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