くるり・岸田繁さん、前田敦子さん、綿矢りささん……各界から絶賛の声! 映画監督・犬童一心の初小説が発売!

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“COME ON! 慶び多くあれ!”
ベテラン芸能マネージャー・加門慶多と新人・中村祥子の冒険

 加門慶多(かもんけいた)、本名・郷田好則は大学を中退した元演劇青年。劇団に入り、先輩に呼び出され芸名をつけられたものの、俳優としては、ものにならなかった。だが今や50代になった加門は、大手「自由演技」のシニア統括マネージャー。とはいっても加門のもとには、昼夜を問わず、難問奇問、数々のトラブルが持ち込まれる。
 古希を迎える大御所俳優・滝川大介が突然引退したいと言い出したかと思えば、シリーズCM「五代目マキタガール」に抜擢された若手女優・山下梓は、制服を着たくないと撮影現場でストライキ。そして挙句の果てには、40年前に第二幕までしか書けずに失踪した伝説の劇作家・遠山ヒカルを見つけ出して、幻となった芝居「我が友、世界へ」の最終幕を、たったひと月半で書かせ、上演することになり……
 加門と新人・中村祥子の二人は、岡山の山奥の村へと向かう。そしてようやく遠山を見つけ出し東京のホテルに缶詰にするのだが、はたして加門と中村は、この怪物に、第三幕を書かせることができるのか !?
 物を創ることに取り憑かれた“やっかいで愛すべき人たち”を描き出す痛快長編。「ジョゼと虎と魚たち」「のぼうの城」など数々の名作映画を手がけた、あの犬童監督による初小説!

★各界から絶賛の声!

芝居が天職! な人間たちの、究極にわがままで究極にエネルギッシュな物語。――綿矢りさ
         
お芝居への情熱がとにかく熱いこの「世界」に私も巻き込まれたい‼――前田敦子
 
お芝居の世界が少し羨ましくなるような物語。音楽の世界でもこういう物語あるといいなあ。――岸田繁(くるり)

著者からのメッセージ

「怪物と、そして祈り」

 夢を諦めた人間が、自分の立つべき居場所を探す。そんな中年と若人二人組の話を書いてみました。その行く手を阻む「怪物」たちとの奮闘が描かれます。
 主人公の加門がある人物を「怪物」と評する時、そこには強い「畏怖」があります。恐れと共に「尊敬」が溢れるのです。
 私もまた、そんな「怪物」たちと出会ってきました。
 森繁久彌さんミヤコ蝶々さん青島幸男さん市川準さん山崎努さん山田洋次さん大林宣彦さん横尾忠則さん細野晴臣さん田中泯さん沢田研二さん。その人たちの持つ「遊ぶ」ことへの真剣さに感心し、自由で、力強い振る舞いに感動し、そして若かった私への優しさに感謝しました。おかげで、身の程を知り謙虚になれたと思います。
「怪物」たちは、「戦後」という荒波に向かって出港し、格闘し、追求し、自分の居場所を探し当てた開拓者です。孤独を引き受け、新天地にしっかりと足を踏ん張り多くのことを私たちに指し示してくれました。
 凡人の私は運良く共にいても、その人たちが何かをなすとき、ただ祈ることしかできませんでした。もちろん必死に祈りましたが…。
 そんな自分を、芸能マネージャー加門慶多に重ねて書きました。
 楽しんでいただければと思います。

犬童一心

2016年12月28日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです
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