井上荒野×斎藤由香×井上都「父と私――井上光晴、北杜夫、井上ひさし」 『ごはんの時間 井上ひさしがいた風景』(井上都著)刊行記念トーク

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井上荒野さん、斎藤由香さん、井上都さん。

3人の共通項は、偉大な文筆家を父に持つこと、そして、ご自身も執筆活動をされていること。この3人による貴重な公開鼎談を、ラカグで開催します。

井上荒野さんは、井上光晴さんが亡くなられた10年後、『ひどい感じ 父・井上光晴』で、「全身小説家」と呼ばれた父親の嘘と魅力と真実をエッセイに綴られました。

斎藤由香さんは、どくとるマンボウこと、北杜夫さんについて数多くのエッセイで触れており、また、北さんの躁鬱病について明るくさらけ出した対談集『パパは楽しい躁うつ病』を出版されています。

そして井上都さんは、2016年9月に『ごはんの時間 井上ひさしがいた風景』を刊行。父親との間に大きな諍いが起き、和解出来ぬままに別れをむかえてしまった都さんが、懐かしい食卓のなかに蘇るかけがえのない記憶をたどりながら、確かにあった家族の時間を綴ったエッセイです。

〈井上都・インタビュー〉確かにそこにあった家族の思い出
(略)父は、お昼は冷やしたぬき蕎麦と決めたら、夏でも冬でもずーっとそれを食べるような人でした
https://www.bookbang.jp/review/article/518639

井上荒野さんの『ひどい感じ 父・井上光晴』のエピローグにはこのような一節があります。

「『お父さんについての本をまとめてみませんか』というお話をいただいたとき、正直言って、まったく気が進まなかった。(中略)
 けれどもいま、やはり書いてよかったと思っている。
 書くことで明らかになったのは、父の真実ではなく、むしろ私自身の真実だった。それは私の今この瞬間の真実である。たとえば十年後、あるいは一年後に同じテーマで書いたとしたら、またべつのものが見えてくるだろう。」

「あの」父の子に生まれ、娘たちはどんな影響を受けてきたのか……。創作家がいる家庭のドラマや、あの小説の裏話など、いまだからこそ言える話が満載の、一夜限りのイベントです。

■日時:2017年1月24(木) 19:30~20:30
■会場:la kagu(ラカグ)2F レクチャースペースsoko
■参加方法:http://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01m9t6ym3hwh.html

井上荒野(いのうえ・あれの)
1961年東京生まれ。1989年「わたしのヌレエフ」で第一回フェミナ賞を受賞してデビュー。2004年『潤一』で島清恋愛文学賞、2008年『切羽へ』で直木賞、2011年『そこへ行くな』で中央公論文芸賞、2016年『赤へ』で柴田錬三郎賞受賞。著書に『グラジオラスの耳』、『もう切るわ』、『ひどい感じ 父・井上光晴』、『ズームーデイズ』、『夜を着る』、『雉猫心中』、『静子の日常』、『つやのよる』、『結婚』などがある。

斎藤由香(さいとう・ゆか)
1962年東京生まれ。成城大学文芸学部国文科卒。サントリー社員。エッセイスト。著書に『猛女とよばれた淑女—祖母・齋藤輝子の生き方—』『窓際OL トホホな朝ウフフの夜』『窓際OL 人事考課でガケっぷち』『モタ先生と窓際OLの心がらくになる本』(斎藤茂太との共著)『パパは楽しい躁うつ病』(北杜夫との対談集)などがある。

井上都(いのうえ・みやこ)
1963年東京生まれ。1987年4月両親の離婚により、父より劇団「こまつ座」代表を引き継ぎ2001年まで務める。2010年3月同座を離れた。著書に『宝物を探しながら』『やさしい気持ち』『ごはんの時間 井上ひさしがいた風景』がある。

2017年1月12日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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