二階の王

二階の王

著者
名梁 和泉 [著]
出版社
KADOKAWA
ジャンル
文学/日本文学、小説・物語
ISBN
9784041035573
発売日
2015/10/30
価格
1,650円(税込)

内容紹介

【第22回日本ホラー小説大賞 優秀賞受賞作】
30歳過ぎのひきこもりの兄を抱える妹の苦悩の日常と、世界の命運を握る〈悪因〉を探索する特殊能力者たちの大闘争が見事に融合する、空前のスケールのスペクタクル・ホラー!

選考委員も驚嘆!
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破天荒な大風呂敷が広げられる。総合的な筆力では今回の候補作中、一頭地を抜いていると感じた ――綾辻行人
『悪因研』の活動が、すべて○○であったとしたら、かなり怖いサイコホラー。違った楽しみ方もさせてもらった ――貴志祐介
邪神との闘いという王道のモチーフに果敢に挑んだ力作。読了後、確かにタイトルはこれしかないと、しみじみ納得 ――宮部みゆき
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 東京郊外で両親と暮らす八州朋子には、大きな悩みがあった。30歳を過ぎた兄が二階の自室にこもり、家族にも姿を見せない生活が何年も続いているのだ。職場で知り合った男・加東に心惹かれる朋子だが、兄のことは話せずにいた。
 そのころ、元警察官の仰木と6人の男女たちは、考古学者・砂原が遺した予言を元に『悪因研』を名乗り〈悪因〉の探索を続けていた。〈悪因〉は人々を邪悪な存在〈悪果〉に変えて破滅をもたらす。6人は五感で〈悪果〉を識別する能力を持つ者たちだった。
 〈悪果〉を嗅ぎ分ける男・掛井は、同じショッピングモールで働く朋子への想いを募らせている。そして、掛井の仲間・卓美がある症状を発症し……。

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クトゥルー神話を思わせる魅力的な異形描写や、「世界の命運を握る存在」という大掛かりな題材。
それらと不思議にも共存する、「ひきこもり」という現代社会的なテーマ。
日常感覚に立脚し共感性の高い、女性主人公ほか登場人物の心情描写のバランスにも注目の作品。
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装画=藤田新策

データ取得日:2024/04/20  書籍情報:JPO出版情報登録センター
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