ミニチュアの妻

ミニチュアの妻

著者
マヌエル・ゴンザレス [著]/藤井 光 [訳]
出版社
白水社
ジャンル
文学/外国文学小説
ISBN
9784560090435
発売日
2015/12/20
価格
2,860円(税込)

内容紹介

「ポスト・アメリカ」世代の類い稀な想像力

 飛行機のハイジャック、ゾンビといった21世紀的モチーフのみならず、ページをめくる度に予測不可能な設定が飛び出す、「ポスト・アメリカ」世代の注目の若手による第一短篇集。
 「操縦士、副操縦士、作家」─ダラス上空で、語り手である作家の乗る航空機がハイジャックされた。さて何が起きるのかと思いきや、飛行機はダラス上空をひたすら旋回し続け、そのまま20年が過ぎる……。
 「ミニチュアの妻」─小型化を専門とした職業(詳細は不明)に従事する主人公は、仕事を家庭に持ち込まないことを誇りとしていた。あるとき、不注意から妻をマグカップ大に縮めてしまう。
 「セバリ族の失踪」─若き文化人類学者グラントとハモンドは、南太平洋の島に暮らすセバリ族の風習を研究、一躍学界の寵児となるが、ある日、二人揃って忽然と姿を消す。セバリ族そのものもいなくなり、周囲が騒然となるなか、ひとりの若い女性研究者がある事実に気づく。
 どれほどの奇想でも、個人としての自立や選択の自由が許されない現実離れした状況に翻弄されつつ、生き延びようともがく人々の姿が滑稽かつ切実に描かれる。物語の快楽を見事なまでに伝える18篇。

データ取得日:2024/04/23  書籍情報:JPO出版情報登録センター
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