蔡英文 新時代の台湾へ

蔡英文 新時代の台湾へ

著者
蔡英文 [著]/前原 志保 [監修、訳]/阿部 由理香 [訳]/篠原 翔吾 [訳]/津村 あおい [訳]
出版社
白水社
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784560092484
発売日
2016/05/22
価格
2,090円(税込)

内容紹介

台湾初の女性総統がめざすものとは
 台湾が大きく変わろうとしている。今年1月の総統選挙で、初の女性総統が誕生した。本書は、台湾で選挙前に刊行され、爆発的なヒットを続ける蔡英文氏の著書『英派——點亮台灣的這一哩路』の日本語版である。5月20日の総統就任式にあわせて緊急出版する。
 蔡氏は、前回の総統選に敗北した後、党主席を辞任して民間に戻り、台湾各地を巡りながら市民と対話を続けた。人々が政治に求めているものを模索し、政治と社会を包括的に刷新する方策を考え続けてきたのだ。一方で、台湾の政局は経済の悪化から動揺を見せ始め、社会は混乱し、中台関係は暗礁に乗り上げた—。そうした中で市民社会の力が大きくなり、2014年3月にヒマワリ学生運動が起こった。その夜、蔡氏は立法院の議場に駆けつけ、学生たちを警官から守るために座り込みを行なった。本書では当時のことを生々しく振り返ると同時に、政府の問題点を鋭く指摘し、政党政治の役割を根本から見直す必要性を説く。激動の3年間を見つめてきた台湾の新たなリーダーが、一市民の視点で台湾を見つめ直し、未来をどう描いて、圧倒的な支持を得るに至ったのか、その過程が明らかになる。
 福島第一原発事故後、注目を集めてきた台湾の第四原発建設の是非や、中国との経済問題、中台関係については現状維持を基本的立場とする真意、TPPを含めた貿易政策、日本の同盟国であるアメリカとの友好関係構築のプロセスまで詳しく述べられ、新総統の考えが一冊でよくわかる。
 政治とは縁のない家庭に生まれ育ち、学者から政治家に転身した異色の経歴をもつ著者の冷静な分析と、場面ごとの率直な思いが吐露されていることも本書の大きな魅力となっている。
*著者から日本の読者へのメッセージも収録!

データ取得日:2024/04/19  書籍情報:JPO出版情報登録センター
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