娯楽番組を創った男
丸山鐵雄と〈サラリーマン表現者〉の誕生
内容紹介
メディア論の新たな読み!
戦後を代表する知識人である丸山眞男に兄がいたことはあまり知られていない。その兄鐵雄(てつお)は、長谷川如是閑とともに大正期を代表するジャーナリスト丸山幹治の長男として1910年に生まれ、その後京都帝大経済学部を卒業して日本放送協会に入り、ラジオの黄金時代とテレビの草創期を牽引した敏腕芸能ディレクターだった(1973年に『激動の昭和』で日本レコード大賞特別賞を受賞、1988年没)。
日本のメディア史を考える上でとりわけ重要なのは、痛快な社会諷刺で占領下人気を博したラジオ番組『日曜娯楽版』と現在まで続く長寿番組『のど自慢』を鐵雄が企画したことである。
本書は丸山鐵雄の人生とその時代を振り返ることによって、「マスメディアの真の主人公」である〈サラリーマン表現者〉について考える試みである。
記者やプロデューサー、ディレクターや編集者に代表される〈サラリーマン表現者〉が、学者からタレントまであらゆる表現者を利用しながら、いかに自己の「匿名の思想」を実現してきたかを徹底的に検証する。「彼らの作ったパッケージこそが世の中に甚大な影響を与えている」(本書)のだ。著者渾身の書き下ろし!
データ取得日:2024/04/19
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