マナス

マナス

著者
アルフレート・デーブリーン [著]/岸本 雅之 [訳]
出版社
白水社
ジャンル
文学/外国文学小説
ISBN
9784560099087
発売日
2016/03/10
価格
3,740円(税込)

内容紹介

叙事詩はギリギリと音を立てる!
 『ベルリン・アレクサンダー広場』によって文学界に衝撃を与えたデーブリーンによる壮大な叙事詩。
 戦勝の歓声が上がる中、会戦から帰還したウダイプルの王子マナスは戦場での恐るべき死の光景を嘆き、自ら死を求めて「亡者が原」へと赴く。彼がそこで目撃したのは悲惨非道の数々の亡霊たちだった。シヴァ神配下の三悪鬼などとの激烈な闘争の末に斃れたマナスは、愛妻サーヴィトリーによって甦るが、最終的に彼が見出したものとは……。
 『マハーバーラタ』を始めとするインドの神話・哲学に素材を得て、デーブリーンは絶望と死の淵から新生の自己へと至る道を圧倒的に描き出す。文体はうねり高まり、神々・亡霊は躍動する。「『ベルリン・アレクサンダー広場』はベルリン方言で書かれた『マナス』なのです」と作者自身が両者の類縁性を指摘し、ムージルは本作を「異常なまでの解放感とわれらが根本感情の大波を捉えている」と激賞する。危機的人間の実相を抉る現代神話文学の最高傑作がここにある。「〈生〉の辺境としての死、〈人間〉の辺境としての神々――それを掘り起こす言葉の膂力。叙事詩はギリギリと音を立てる!」(古川日出男)

データ取得日:2024/04/18  書籍情報:JPO出版情報登録センター
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