明治知識人としての内村鑑三

その批判精神と普遍主義の展開

明治知識人としての内村鑑三

著者
柴田真希都 [著]
出版社
みすず書房
ジャンル
哲学・宗教・心理学/哲学
ISBN
9784622085331
発売日
2016/09/24
価格
8,250円(税込)

内容紹介

『代表的日本人』はじめ数々の著作をあらわした思想家、『万朝報』英文欄主筆、『聖書之研究』発行人、無教会主義の創始者にして伝道の人……内村鑑三について書かれたものは夥しい数があり、先行研究も数多くなされている。そのような対象に、かつてない方法的視点を据えて向かった刺激的な内村鑑三研究の成果が本書である。
西欧発の代表的な知識人論、E・W・サイード『知識人とは何か』とJ・バンダの古典的知識人論『知識人の裏切り』。それらに提示された知識人の諸性質、要請される責務を問題提起として、内村の多様な、時に矛盾するとも受け取られてきた言動を読み解いてゆく。
そこに浮かび上がってくるのは、exile=アウトサイダーのパースペクティヴをつねに持ちながら明治日本に世界市民として生きた批判的知識人の姿である。日清・日露戦争を経て、日本は政治的に、また道徳的にも激変を経験した。偏狭で実利的な愛国心言説の中で、時の権力・権威に言論をもって対峙し、国や民族といった所与の属性を超えた世界市民的精神の種を、地方や農村に生きる非政治的な民衆一人一人にまで蒔きつづけた内村鑑三の全体像を構築する

データ取得日:2024/04/25  書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます