「脳」の究極の謎に挑む

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脳のなかの天使

『脳のなかの天使』

著者
V・S・ラマチャンドラン [著]/山下 篤子 [訳]
出版社
角川書店
ジャンル
文学/外国文学、その他
ISBN
9784041101049
発売日
2013/03/23
価格
2,052円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

「脳」の究極の謎に挑む

[レビュアー] 鈴木裕也(ライター)

 ラマチャンドランは、詩人・ランボーや音楽家・リストなど、芸術家には共感覚の持ち主が多いことから、考察をさらに深めていく。それが、人間を人間たらしめている言語や芸術と、脳の仕組みや働きとの関係につながっていくのだ。
 その鍵を握るのがミラーニューロンだという。サルにもあるこのニューロンがなぜヒトで高度に発達したのか。その推論の過程こそ、まさに本書の読みどころ。まるでミステリー小説を読むかのような「謎解きの快楽」の連続である。
 本書で提示される考察は、どんなに確からしく感じられようとも、あくまで推論である。文中には「かもしれない」「可能性がある」「ひょっとすると」などの語が頻繁に現れるが、もどかしさは微塵も感じられない。もっとも、これ以上先の「真実」は知らなくてもいい「神の領域」なのかもしれない。

新潮社 新潮45
2013年6月号 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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