明文堂書店石川松任店「希望の書!」【書店員レビュー】

レビュー

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ステーション・イレブン

『ステーション・イレブン』

著者
エミリー・セントジョン・マンデル [著]/満園 真木 [訳]
出版社
小学館
ジャンル
文学/外国文学小説
ISBN
9784094060263
発売日
2015/02/06
価格
950円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

明文堂書店石川松任店「希望の書!」【書店員レビュー】

[レビュアー] 明文堂書店石川松任店(書店員)

シェイクスピアの『リア王』上演中、有名俳優アーサーが命を落とした。その二週間後、グルジア風邪の猛威によって人類の99%が死滅した。あの日、彼と同じ舞台に立っていた少女キルステンは二十年後、旅の楽団の一員としてシェイクスピア劇を演じていた。一人の俳優の存在が、文明社会だった過去と多くのものを喪失した現在を繋いでいく。
暗く冷たい世界だが、人と人との繋がりの描かれかたは温かい。悲痛の中から希望が湧き出る。そんな力強さを持った作品だ。
本書と併せてお薦めしたいのが、コーマック・マッカーシー『ザ・ロード』。終末世界を漂う父子の姿を描いた名作だ。似た世界を描きながらも、アプローチがまったく違うので、読み比べてみるのも面白いかもしれない。

トーハン e-hon
2016年1月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

トーハン

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