『ビクトール・フランクル 絶望の果てに光がある』
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ブックセンターササエ「光あふれる未来へ 新しい年へ」【書店員レビュー】
[レビュアー] ブックセンターササエ(佐々栄文盛堂)(書店員)
光なき雪深い森の中。出口を求めて一歩また一歩と歩みを進めるも、足が雪に沈んでいく。確かに前進している。でも、雪深く光なき森はどこまでも続く。嗚呼、この闇を抜けて、光ある場所に辿り着く、そんな時が来るのだろうか……と、この本の表紙を眺めながら妄想する。 「夜と霧」の著者、フランクルの数々の言葉を噛み砕いて解説。読めば人生観が変わるかもしれない崇高な一冊。いわゆるポジティヴシンキング的発想を薦めるものとは違います。「生き方」の根本姿勢について問いかけられます。すなわち、私達の側から人生に意味を求めて、なぜどうしてと苦悩するのではなく、人生の側から私達に問いかけられている様々な事に応えていく生き方、への考え方の転換。今、何をしなきゃいけない?それは誰のため?何のため?…そう次から次へと人生は私達に日々、問いかける。それらに一つずつ応えていくこと。誠実に。自分なりのやり方で。生き方で。
絶望の果てに光があるか?雪深き森のその先に光ある場所があるか?…ある!と信じたい。そう信じながら人生の道を地道に歩みたいものです。