ブックセンターササエ「人生の遠回りも、道草も、すべてがたからもの」【書店員レビュー】

レビュー

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みちくさ日記

『みちくさ日記』

著者
道草晴子 [著]
出版社
リイド社
ISBN
9784845844173
発売日
2015/10/09
価格
1,430円(税込)

ブックセンターササエ「人生の遠回りも、道草も、すべてがたからもの」【書店員レビュー】

[レビュアー] ブックセンターササエ(佐々栄文盛堂)(書店員)

何だか、すごい本、読んじゃった…。読書体験の中でごくまれにそんな体験をする事がある。皆さんもたまにありますよね? これは個人的に、今年出逢った本の中でもっとも強烈な一冊でした。13歳で某大作家の名前が冠された漫画新人賞を受賞。天才少女として脚光を浴びるも、ほどなく精神科病院に入院。30歳の春に「自分のダメな半生を漫画に描き始め」るまでの涙と笑いと感動と戦い、そして再生の記録。(コミックエッセイふうの。) とてつもなく重いストーリー。でも、味のある絵と文字、その画力と筆力のなせる業なのか、読んでいて気分が落ち込む事はありません。(正直、画風については読み手によって好き嫌いが分かれるかも)帯の推薦コメントにも似たような読者の声がありますが、こうして一冊の本になって、著者・道草さんの漫画を今、読めるという事が何だか嬉しく思えてきます。人生の遠回りも、道草も、すべて宝物になり得るのかもしれません。

トーハン e-hon
2015年12月15日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

トーハン

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