『孫と私の小さな歴史』 佐藤愛子著 

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孫と私の小さな歴史

『孫と私の小さな歴史』

著者
佐藤 愛子 [著]
出版社
文藝春秋
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784163903873
発売日
2016/01/08
価格
1,512円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

『孫と私の小さな歴史』 佐藤愛子著 

[レビュアー] 読売新聞社

 どんなウソがばれたのか、「サザエさん」の波平さんのような髪形になり、ヒャ~と恐れ入る夫役を演じるのは、なんと作家、佐藤愛子さんである。そして、亭主に襲いかかる妻役を好演するのは高校2年生だった孫娘の桃子さん。平成21年の年賀状である。

 御年92歳になる“怒りの愛子”は初孫1歳のときから2人で扮装(ふんそう)、年賀状用写真を撮り続けた。その20年分をほぼ原寸大で公開したのが本書であるが、これが相当ヘンなのだ。泥棒や幽霊に扮し、ガングロあり、さらし首あり、「葬式の巻」まである。親子三代の回想エッセーも楽しい。

 「赤ちゃんの巻」では、思春期となり恥じらう孫に代わり、愛子さんがおしゃぶりまでくわえて大熱演した。

 やるからには徹底し、「小説を書くときと同じ情熱」と愛子さん。「桃子、もっと真面目にふざけなさい!」「ふざけ半分はダメだ!」

 唖然(あぜん)、呆然(ぼうぜん)とし、バカ笑い。笑う門には福が来る。(飼)

 文芸春秋 1400円

読売新聞
2016年2月14日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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