西欧からアジア、中東とバランスよく任地で見聞を深める機会を得たベテラン外交官が、背景にあった文明論や自然観を交え、四半世紀にわたってつづった「世界と日本」。スイスから見た冷戦崩壊と欧州連合(EU)の誕生、インドなどで見た世界経済に挑むアジアの姿、日本独自のパレスチナ外交、そして、オマーンでは大使として米中枢同時テロ後の中東を目の当たりにした。激動の続く時代にあって日本の最善の針路と選択は何か。外交官として常に心がけてきた、文明を基盤とした現状把握と将来の選択への熱い思いが随所に投影されている。(下野新聞社・1800円+税)
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2016年3月6日 掲載
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