明文堂書店石川松任店「ライトでハードな、ハードボイルド・ファンタジー!」【書店員レビュー】

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

玩具都市弁護士

『玩具都市弁護士』

著者
青柳 碧人 [著]
出版社
講談社
ジャンル
文学/日本文学、小説・物語
ISBN
9784062940207
発売日
2016/02/18
価格
792円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

明文堂書店石川松任店「ライトでハードな、ハードボイルド・ファンタジー!」【書店員レビュー】

[レビュアー] 明文堂書店石川松任店(書店員)

異世界、あるいは特異な環境を舞台にしたミステリ作品(小説、映画、ゲームなど、多くの媒体で)は、最初からその特異な世界が明示されているものから、結末に明かされるためにそれを言うことがネタバレになってしまうものまで、数多く存在する。前者に属する本書は、人間とAI機能が搭載された玩具が共生するスラム街的な都市《バッバ・シティ》を舞台に、現在はパン屋を営んでいる元弁護士と謎の少女がいくつもの事件に向き合っていく、という可愛らしい外見とは裏腹にとてもシリアスな物語だ。
そしてこういう特異な世界が設定のミステリで気になるのが、その世界の作り込みと、その世界であることのミステリ的な必然性だろう(個人的には、そういう世界なのだと割り切って楽しむような大雑把な作品も大好きなのですが・・・・・・)。その部分、本書はかなりしっかりしているように思えた。多くの人に勧めたくなる、ライトでハードな、ハードボイルド・ファンタジーだ!

トーハン e-hon
2016年3月3日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

トーハン

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク