『思索の淵にて 詩と哲学のデュオ』茨木のり子、長谷川宏著 レビュー 産経新聞 [レビュー] (日本の小説・詩集) 『思索の淵にて』 著者 茨木 のり子 [著]/長谷川 宏 [著] 出版社 近代出版(東京) ジャンル 文学/日本文学、評論、随筆、その他 ISBN 9784874021200 発売日 2006/04/01 価格 1,980円(税込) ネット書店で購入する 書籍情報:JPO出版情報登録センター ※書籍情報の無断転載を禁じます 『思索の淵にて 詩と哲学のデュオ』茨木のり子、長谷川宏著 [レビュアー] 産経新聞社 硬質で深い響きをたたえた著作である。茨木のり子の凛(りん)とした詩28篇(へん)に、ヘーゲル研究で知られる在野の哲学者、長谷川宏が散文で応える。 たとえば、茨木の代名詞ともいえる「わたしが一番きれいだったとき」に長谷川はこう応答する。《若い一女性が、ふしあわせでも、とんちんかんでも、さびしくてもとにかく生きたい、生きつづけたい、という強い意志をもちつづけるとき、死と破壊への道を突きすすむ戦争の残虐さがくっきりと浮かびあがる》。読む者は、極上のデュオに酔いながら、深い思索に向かうことになるだろう。(河出文庫・740円+税) 2016年4月3日 掲載 ※この記事の内容は掲載当時のものです 文学・評論 日本の小説・詩集 ビジネス・経済 産経新聞社 長谷川宏 思索の淵にて―詩と哲学のデュオ 茨木のり子 近代出版