『自由について 金子光晴老境随想』

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自由について - 金子光晴老境随想

『自由について - 金子光晴老境随想』

著者
金子光晴 [著]
出版社
中央公論新社
ISBN
9784122062429
発売日
2016/03/18
価格
924円(税込)

『自由について 金子光晴老境随想』

[レビュアー] 産経新聞社

 還暦を迎えた反骨詩人が昭和30年から死の2年前の48年までにつづった随想39本とインタビュー1本を収めている。古いものだが内容はすこぶる清新だ。

 《今日の若い世代がもっている「正義派」のきまぐれともおもえるイノセントぶりが、相当な来歴のある人生のタレントたちを屡々(しばしば)、コロリとまいらせる》(38年)に、いつの時代も変わらないとため息をつき、《日本人の口にするりべらりずむや、ひゅうまにずむは、現実をはぐらかす煙幕にすぎないのだ》(40年)に、その言葉を口にする人々の底の浅さを思う。孤高の天邪鬼(あまのじゃく)ここにあり。(中公文庫・840円+税)

産経新聞
2016年4月17日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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