『宇宙画の150年史 宇宙・ロケット・エイリアン』 ロン・ミラー著

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宇宙画の150年史

『宇宙画の150年史』

著者
ロン・ミラー [著]/日暮 雅通 [訳]/山田 和子 [訳]
出版社
河出書房新社
ジャンル
自然科学/天文・地学
ISBN
9784309253374
発売日
2015/12/24
価格
4,104円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

『宇宙画の150年史 宇宙・ロケット・エイリアン』 ロン・ミラー著

[レビュアー] 宮部みゆき(作家)

 左の絵は、ジュール・ヴェルヌの『月世界旅行』(1865年)に登場する砲弾型ロケットだ。この約百年後、実際に月へ到達したアポロ計画のロケットや着陸船と比べてみると、何とも素朴で可愛(かわい)い。

 ハッブル宇宙望遠鏡や数々の惑星探査機のおかげで、今の私たちは容易に大宇宙の実像を目にし、その壮麗な美に感動することができる。でも人類が宇宙探査技術を手にする以前の時代には、SF雑誌や単行本の表紙や挿絵、映画のポスターなどの形で発表される宇宙画家たちの優れた作品こそが、銀河への憧れと畏れの源泉だった。本書は全5章、多くの作品を「惑星と衛星」「宇宙船と宇宙ステーション」と分野別に紹介しつつ、宇宙画の歴史を繙(ひもと)いてくれる。緻密なモノクロから美麗なカラーへの変遷。画家のイマジネーションの深化と進化。ページをめくるたびに人の想像力の豊かさに驚き、敬意を覚えずにはいられない。第5章「エイリアン」は、かなり怖いですよ。

 河出書房新社 3800円

読売新聞
2016年4月24日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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