『なにもないことが多すぎる』片山恭一著

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

なにもないことが多すぎる

『なにもないことが多すぎる』

著者
片山, 恭一, 1959-
出版社
小学館
ISBN
9784093864381
価格
1,540円(税込)

書籍情報:openBD

『なにもないことが多すぎる』片山恭一著

[レビュアー] 産経新聞社

『世界の中心で、愛をさけぶ』の著者の最新作で、ボブ・ディランを信奉する青年が死の病に向き合って抱く諦観や覚悟がテンポよくつづられる。タイトルはディランの曲名から取られている。

 高校の友人とのバンド活動を謳歌(おうか)していた「ぼく」だが、ドラムスのショージが原因不明の病であっけなく死んでしまう。やがてほかの3人も同じ病気にかかり…。人生の喜びや悲しみを知らないまま死んでいかなくてはならない主人公たちの精いっぱいの生を、ロックやクラシックの音楽に絡めて描く。直木賞作家の西加奈子が装画を手がけているのも話題。(小学館・1400円+税)

産経新聞
2016年5月8日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク