福文堂書店本店「とりかえばや物語」【書店員レビュー】

レビュー

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とりかえばや物語

『とりかえばや物語』

著者
田辺聖子 [著]
出版社
文藝春秋
ISBN
9784167904692
発売日
2015/10/09
価格
660円(税込)

福文堂書店本店「とりかえばや物語」【書店員レビュー】

[レビュアー] 福文堂書店本店(書店員)

平安貴族の家に生まれた若君と姫君。
性格があべこべで、若君は女らしく、姫君は男らしく成長してしまいます。
父親はなんとか性格を入れ替えたいと思いますがままならず、
とうとう若君は女として、姫君は男として成人してしまうのです。
男として出仕する姫君に男としての結婚話が持ち上がり、更には若君も帝に見初められ入内することに。
どちらも性別を偽っていることがバレたら一族郎党破滅の危機。
どうやって凌ぐのでしょうか!?
平安時代にこの物語が書かれていたというのが、驚きです。
日本人、昔から変わってないじゃん!
時代が変わって、環境も変わって、思想も変わって、言葉も変わって、生活様式も変わって、
いろんなものが変化していますが、
男女の本質というのは昔の昔から変わらないのでしょうねぇ。
しっとりと穏やかな文章でつづられる物語は、
「男女入れ替わりラブコメ」といえど、大人な雰囲気も漂います。
設定の面白さと平安の雅な空気が存分に楽しめる一冊です♪

トーハン e-hon
2016年5月12日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

トーハン

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