【聞きたい。】パラダイス山元さん “修行僧”の目に映るもの 『パラダイス山元の飛行機のある暮らし』

インタビュー

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【聞きたい。】パラダイス山元さん “修行僧”の目に映るもの 『パラダイス山元の飛行機のある暮らし』

[レビュアー] 藤井克郎

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パラダイス山元さん

 マンボミュージシャンにしてアジアでただ一人の公認サンタクロース、さらにはマン盆栽(ジオラマのような物語性を持つ盆栽)家元に餃子(ぎょーざ)の王様、入浴剤ソムリエと、この人の多彩な顔には驚かされる。そして今度は乗り鉄ならぬ「のりひこさん」として、2冊目となる飛行機本を著した。

 「趣味ではないですね。業(ごう)なんですかね。自分の中で本当に好きなことはほかにもあるが、人がやっていると興味の対象ではなくなるんです。音楽も、なんで今ごろマンボなの、というところから始まっている。飛行機はお金を出せば誰でも乗れるのに、搭乗メソッドってないでしょ。指南書を書いてもしようがないから、そこは面白おかしく、自分がかかわってきた人間模様を本にしたかったといったところでしょうか」

 年間最多搭乗は驚異の1022回。豊富な体験を基につづった前著「パラダイス山元の飛行機の乗り方」に続いて、今回もすべて機内で執筆した。飛行機の中は疲れを癒やすリラクセーションスペースであると同時に、ワーキングスペースでもあると説く。「揺れていたりする方が集中できるんです。今回は4分の1は携帯で書きましたね」

 そんな飛行機の人が最近気になっているのが、乗客のマナーの低下だ。地位も名誉もお金もありそうなおやじが、空港のカウンターで女性職員を怒鳴りつけている光景をよく目にする。「飛行機に乗ることで自分が偉くなったように勘違いするんでしょうか。ここ4~5年で10倍に増えているような気がします」

 だがそういう現場に出くわすのも嫌いではない。むしろ本のネタになると、喜んでいるふしがある。

 「でも最初からそれを目的に乗ってはだめ。観光とか買い物とか余計なものは排して、搭乗そのものを目的にしないと。やっぱり修行僧ですよ。気持ちを無にしたところで、忽然(こつぜん)と見えてくるものがあるんです」(藤井克郎)(ダイヤモンド社・1300円+税)

【プロフィル】パラダイス山元

 ぱらだいす・やまもと 昭和37年、札幌市生まれ。富士重工業のカーデザイナーを経て、平成3年に東京パノラママンボボーイズとしてデビュー。『読む餃子』など著書多数。

産経新聞
2016年5月29日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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