ブックセンターササエ(佐々栄文盛堂)「捨てることで得られるものってなあに?」【書店員レビュー】

レビュー

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縁は苦となる苦は縁となる

『縁は苦となる苦は縁となる』

著者
塩沼 亮潤 [著]
出版社
幻冬舎
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784344029316
発売日
2016/04/21
価格
1,210円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

ブックセンターササエ(佐々栄文盛堂)「捨てることで得られるものってなあに?」【書店員レビュー】

[レビュアー] ブックセンターササエ(佐々栄文盛堂)(書店員)

仙台市秋保慈眼寺住職。奈良県金峯山寺にて大峯千日回峰行を満行した大阿闍梨による最新エッセイ。「行を終え、行を捨てよ」「終わったらすべてを捨てなさい」「忘れて捨てて、許す」…手放す事、捨ててみる事をもう一度考えてみようではありませんか、という事がメインで説かれています。自分に、他人にとらわれる、こだわってしまう、執着してしまう。「放てば手に満てり」とは道元禅師のお言葉ですが、手にしたものを放すまいというコダワリから離れ、パッと手を放してみる。手放して得られるものもがたくさんあるかもしれないですね。自我を捨てる、という部分でとても印象に残った一文があったので以下に紹介させていただきます。

お坊さんとして大切な事。一に勤行、二に掃除、三に追従(相手を喜ばせる)、四に阿呆。

「四に阿呆」がいいですね。アホになりきる。馬鹿になれ!…という。「自分が自分が」という自我をポイッと捨ててみる。時にそうして生きたいです。

トーハン e-hon
2016年6月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

トーハン

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