『絵はがきで楽しむ歴史散歩』 富田昭次著

レビュー

4
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絵はがきで楽しむ歴史散歩

『絵はがきで楽しむ歴史散歩』

著者
富田 昭次 [著]
出版社
青弓社
ジャンル
歴史・地理/日本歴史
ISBN
9784787220646
発売日
2016/05/25
価格
2,160円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

『絵はがきで楽しむ歴史散歩』 富田昭次著

[レビュアー] 宮部みゆき(作家)

 絵はがきには熱心な収集家がいて、昨今はちょっとしたブームなのだそうだ。自身もコレクターである著者は、冒頭、二〇一五年に東京・北区飛鳥山博物館で開催された「梨本宮妃絵はがきコレクション」展から紹介してくれる。貴婦人をも魅了する絵はがきは、ほとんどの場合無名の画家や写真家の手になるものだが、美術的価値もある歴史記録の一大鉱脈なのだ。

 この写真は、昭和三年十月一日、長野地方裁判所が発行した「陪審法施行記念絵葉書」四枚セットの一枚。我が国の司法システムに陪審員が存在していたごく短い時代をとどめた貴重なものだ。本書には、近代から高度成長期までの世相と風俗を映したこういうお宝絵はがきがいっぱい。カラーページにも瞠目(どうもく)。読後には、巻末の参考文献を手がかりに、さらにこの世界に遊ぶのもよし、収集に乗り出すのもまたよしです。

 青弓社 2000円

読売新聞
2016年6月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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