【話題の本】独自の個性備えた空間紹介『フランス人がときめいた日本の美術館』

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フランス人がときめいた日本の美術館

『フランス人がときめいた日本の美術館』

著者
山本 やよい [訳]/ソフィー・リチャード [著]
出版社
集英社インターナショナル
ジャンル
芸術・生活/絵画・彫刻
ISBN
9784797673210
発売日
2016/04/26
価格
2,376円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

【話題の本】独自の個性備えた空間紹介『フランス人がときめいた日本の美術館』

[レビュアー] 渋沢和彦

 4月末に発売され、アマゾンの「美術館・博物館」で売り上げ上位が続いている。もともとは2年前、アメリカなど英語圏で美術館ガイドブックとして発売されて評判となっていた。その日本語版として出版された。

 フランス人美術史家が10年をかけて日本各地を旅し、「本当に訪ねる価値のある」美術館を紹介する。大原美術館といった著名美術館もあれば、清水三年坂美術館のような隠れ家的な美術館も。

 著者は「新旧を問わず、有名無名を問わず、独自の個性を備えたところ」を選んだと記している。京都の重森三玲庭園美術館は「自然を理想化して小さく抽象的にまとめられたこの庭園は、わたしたちを哲学的・霊的な瞑想(めいそう)に誘ってくれます」と記述。子供の頃、桂離宮の写真を見て日本に興味を持ったという著者は、建築にも詳しく、隈研吾ら現代建築についてもしなやかに解説する。「掲載されて当然の美術館がなく、ほとんど知られていない美術館が出てきたりする。外国人の視点が受けているのでは」と集英社インターナショナル編集部の河井好見さん。

 日本美術への深い洞察をみせ、美術本としても興味深く読める。(ソフィー・リチャード著、山本やよい訳/集英社インターナショナル・2200円+税)

 渋沢和彦

産経新聞
2016年7月2日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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