『やがて哀しき憲法九条』加藤秀治郎著

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『やがて哀しき憲法九条』加藤秀治郎著

[レビュアー] 産経新聞社

 憲法制定の経緯と9条の解釈について、やさしく語りかけるように書かれた好著。脇道に深入りすることなく、基本的な理解に欠かせないことを、さまざまな論者の言説を紹介しながら、誰にでもわかりやすく解説する。著者がとりわけ重視するのは、GHQによる秘密検閲と公職追放という「恐怖」のなかで憲法が制定されたという事実である。

 憲法改正がいよいよ現実味を帯び、これからメディアにおいて憲法をめぐる議論の報道が活発化するはずだ。メディアに流されず自分の頭で判断しようとする者にとって、きっと頼りになる一冊である。(展転社・1500円+税)

産経新聞
2016年7月24日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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