二人三脚で会社再建にあたっていた真面目一筋の中小企業社長と経営コンサルタント。そんな彼らがなぜ東京地検特捜部に逮捕されたのか。検察担当を長く務めた記者が、一通の手紙を発端に事件の軌跡を掘り起こしていく。
見立て違いに直面し、事実を強引にねじ曲げていく特捜検事の捜査手法には戦慄すら覚える。巨悪を討つ力をなくし、「やりやすい事件」しか追わない現在の特捜の姿が鮮明に浮かび上がる。
平成24年の単行本出版後、逮捕された男らに多額の支援金が寄せられたという秀作の文庫化。出版後の経過も加筆されている。(講談社+α文庫・780円+税)
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2016年7月31日 掲載
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