『信長かく語りき』島田章著

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『信長かく語りき』島田章著

[レビュアー] 産経新聞社

 現代の新聞記者が戦国末期にタイムスリップし、織田信長に直接取材するというユニークな設定で引き込まれる。著者自身が日経新聞記者だったということもあり、綿密な資料分析と豊富な史跡探訪に基づく描写は生き生きとし、日経の人気コラム「私の履歴書」の戦国武将版を思わせる。

 第1部は「信長の自叙伝」。信長が自らの半生を振り返り、その人生哲学を語る。第2部「天正十年夏記」は信長の最期となる本能寺の変前後2カ月ほどを、タイムスリップした記者が取材活動する物語。ベテラン記者らしい想像力が随所に発揮されている。(幻冬舎・1400円+税)

産経新聞
2016年8月7日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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