フローベールはなぜ作家の模範たり得るのか

レビュー

7
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フローベール ポケットマスターピース07

『フローベール ポケットマスターピース07』

著者
堀江 敏幸 [編集]/山崎 敦 [訳]/笠間 直穂子 [訳]/菅谷 憲興 [訳]/菅野 昭正 [訳]/ギュスターヴ・フローベール [著]
出版社
集英社
ジャンル
文学/外国文学小説
ISBN
9784087610406
発売日
2016/04/20
価格
1,404円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

フローベールはなぜ作家の模範たり得るのか

[レビュアー] 図書新聞

 昨年から刊行されている文庫版海外文学シリーズ「ポケットマスターピース」。7冊目は、後世において多くの作家に大きな影響を与えたフランスの小説家・フローベールである。特に本書には歴史小説『サランボー』と未完の遺作『ブヴァールとペキュシェ』が収められていて、抄訳であるのが残念だと思えるほど、先鋭の研究者によるこれらの翻訳は大変読みやすいものになっている。さらに、『書簡選』からは作家の理想とする小説論やそれぞれの創作の裏側も垣間見え、フローベールが追究した言葉・文体の変遷を辿ることができる。むしろ、ここでは一部の抄訳であるからこそ、小説そのものの筋から離れてフローベールの精緻な描写を堪能したほうがよいのかもしれない。(4・25刊、八四八頁・本体一三〇〇円・集英社文庫)

図書新聞
2016年8月6日号(3266号) 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

図書新聞

  • このエントリーをはてなブックマークに追加