【見逃していませんか?この本】日本人が描きがちな「マイナーリーグ像」に一石投じる/川﨑宗則著『閃きを信じて~Don’t think too much!!~』

レビュー

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閃きを信じて : Don't think too much!!

『閃きを信じて : Don't think too much!!』

著者
川崎 宗則 [著]
出版社
ぴあ
ISBN
9784835628837
価格
1,404円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

【見逃していませんか?この本】日本人が描きがちな「マイナーリーグ像」に一石投じる/川﨑宗則著『閃きを信じて~Don’t think too much!!~』

[レビュアー] 労働新聞社

 川﨑宗則という野球選手といえば、どういうイメージを持つだろうか。小兵?小技の利くユーティリティー・プレーヤー?ムードメーカー?本書を読む限り、「もっとも野球に真摯の取り組み、野球を楽しんでいる選手」というイメージが合うのではないか。

 本書は、川﨑がメジャー移籍してからの出来事を綴ったもの。隅々からこぼれ落ちるエピソードは、野球好きにはたまらない。

 たとえば、マイナーリーグについて。「日本の雑誌やスポーツ新聞の特集記事でマイナーリーグを取り上げるときは『マイナーの過酷な待遇とハングリー精神』にスポットを当てたものが多いと思う。その切り口は間違えているとは言わないけれど、必ずしも正しくない」。オフシーズンに契約書にサインしている時点で、マイナー契約を受け入れているのだから、受け入れられないのならば契約書にサインしてはダメではないかとの見解を示す。

 さらに、メジャーからマイナーに落ちることも、「単に『明日あなたが出る試合は、マイナーですよ』と伝えられただけ」で、野球ができなくなるわけでないとの考え方を披露。日本人がイメージしがちなハングリー精神をガツガツとみせる選手はほとんどおらず、「みんな野球を楽しんで、好きな野球で飯を食えていることを喜んでいる」という。

 全体を通して強く感じるのは、野球を真剣に考えているということ。5年目を迎えるメジャーリーグ挑戦のなかで得た多岐にわたる体験を、これだけ細かく記すことができているのも、すべてこのためだからだろう。

 まだまだ現役としての姿を観続けたいという思いはもちろん、いずれ指導者や解説者として活躍する姿も楽しみにしたい。とくに解説席に座って、今までの経験を踏まえながら、様ざまな野球の見方をお茶の間に届けたら、野球好きの子供達が増えるのではないか…。そんな思いを強くした。(M)

かわさき むねのり、ぴあ・1404円/1981年鹿児島県生まれ。2000年にドラフト4位で福岡ダイエーホークスに入団、03年にレギュラー定着。2012年フリーエージェントでメジャーリーグに移籍し、マリナーズ、ブルージェイズ、カブスと渡り歩く。

労働新聞
2016年8月16日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

労働新聞社

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