【写真集】ローマ橋を超えるスケール 『中国の古橋 悠久の時を超えて』榊晃弘

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中国の古橋

『中国の古橋』

著者
榊 晃弘 [著]
出版社
花乱社
ジャンル
芸術・生活/写真・工芸
ISBN
9784905327554
発売日
2016/03/05
価格
5,616円(税込)

書籍情報:版元ドットコム

【写真集】ローマ橋を超えるスケール 『中国の古橋 悠久の時を超えて』榊晃弘

[レビュアー] 村島有紀

 紀元前から清の時代までに作られた中国の代表的な橋を紹介する。北京市郊外にある「盧溝橋」や、河北省の省都、石家荘市にある隋代の「趙州橋」など165の橋を収録。圧倒的なスケールと美しさで見る者の胸を打つ。撮影後記に「ローマ橋の取材で橋の大きさには慣れていたつもりだったが、中国の橋のスケールは私の想像をはるかに超えていた」と榊晃弘さんは記している。

 2010年から4年間かけて日中を10往復しながら中国全土約300カ所を取材。総移動距離は5万6000キロに及んだという。そうして、石積みの橋脚上に楼閣が建造された風雨橋や、美しい曲線を描くアーチ橋、吊(つ)り橋、桁橋など種類や建造年代、構造を考慮して代表的な橋を選んだ。

 中国は中世まで「世界の橋梁(きょうりょう)王国」と呼ばれたほど、さまざまな橋のある国。しかし、資料が乏しく、日本で入手できる橋の写真はごくわずか。榊さんは中国の専門書を取り寄せて、架橋年代や特徴、分布状況を調べたものの、所在不明の橋も多く、下調べに約10年かかった。

 いずれの橋も、今も生活に利用され住む人の息づかいが聞こえる。榊さんは「中国の風土を感じてほしい」と話している。(花乱社・ 5200円+税)(村島有紀)

産経新聞
2016年8月13日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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