『寂しさが歌の源だから 穂村弘が聞く馬場あき子の波瀾万丈』
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『寂しさが歌の源だから 穂村弘が聞く馬場あき子の波瀾万丈』
[レビュアー] 産経新聞社
月刊誌「短歌」での人気連載を書籍化。現在88歳の著者の生い立ちから戦中戦後の青春期、短歌や能との出合い、さらには現代短歌への思いまで、50代の穂村弘を相手に語り尽くしている。
中でも興味深いのは、戦後まもなく短歌結社の「まひる野」に入会したころのくだりだ。まだ20歳前後の学生だったが、周りには20代の若者がごろごろいて、談論風発、当時60代だった土岐善麿をつるし上げたりもする。そんな文化的に豊かな環境の中で感性を磨いていっただけに、短歌の今後について危機感を抱くのももっとものような気がした。(馬場あき子著/KADOKAWA・1800円+税)